以前本ブログでも取り上げた、“富士通お家騒動”だが*1、ついに野副前社長が記者会見して、司法の場に打って出る方針を明らかにしたようである。
「昨年9月に辞任した富士通の野副州旦元社長が「不当だった」として辞任の取り消しを求めている問題で、野副氏は7日に都内で記者会見し、富士通に対して、同社の役員2人を相手取り、約50億円の損害賠償請求を起こすよう求めていることを明らかにした。会社が提訴しない場合は、野副氏が株主として株主代表訴訟に踏み切るという。」
(日本経済新聞2010年4月8日付朝刊・第9面)
これまでの流れからして、野副氏側が地位保全なり、自らの被った損害の填補なりを求めてくることは予測できたのだが、まさか株主代表訴訟という手を打ってくるとは・・・。
これは自分の想像を超えていた。
解任のきっかけが、富士通の子会社であるニフティの再編問題だということは既に報じられていたことなのだが、今回の会社に対する請求は、
「プロバイダー子会社のニフティについて「(再編を進めていた)野副氏が違法に辞任させられなければ、昨年11月にディールが成立した可能性が高い」(代理人の畑敬弁護士)として、損害が発生している」
という主張を根拠にしているとのこと。
仮に「解任」の真相が野副氏側の主張の通りだったとしても、前記のような「損害」の存在や、「解任」との因果関係が認められるためには、かなり高いハードルをクリアする必要があるように思う。
ただ、社長まで務めた方がここまでやってくる、というからには、それなりの理由があるんじゃないか、というのが普通の発想なわけで、これは今後の展開からますます目が離せなくなってきた・・・そんな気がする。
(追記)
なお、富士通は9日、新聞報道を受けて、「当社元代表取締役社長野副州旦氏による「取締役としての地位保全を求める仮処分申立の取り下げ」に関する報道について」(http://pr.fujitsu.com/jp/news/2010/04/9.html)なるプレスリリースを発表。
その中で、
「当社は、裁判の公正を害さないため、また第三者への風評被害の拡大を避けるため、これまで本件の公表を控えておりました。」
「なお、当社は本件を含め野副氏辞任の経緯について、来週しかるべき時期に記者会見を開き、ご説明をさせていただく予定です。」
と今後反攻に転じることを仄めかしている。