商事

企業の「内部浄化」に期待することの虚しさ

小さい記事ではあるのだけど、ちょっと気になった「不祥事、監査役に優先報告 経産省指針 内部調査もみ消し防ぐ」という見出しの日経の記事。 「経済産業省が新たにまとめるグループ会社の企業統治(ガバナンス)に関する指針の内容が分かった。企業の内部監…

心配な「兆候」

先日の臨時株主総会は無難に乗り切ったものの*1、ここにきてまた心配な雰囲気が出てきている日産自動車。4月19日には、突然「日産、世界生産15%減 19年度計画 9年ぶり低水準」という記事が配信されたし、www.nikkei.com今朝の日経朝刊でも、「ルノー、統合を…

日産自動車臨時株主総会に出席して~「カルロス・ゴーン時代」の終焉とその先にあるもの。

朝から各メディアで「きょう開催」と大々的に報道されていた日産自動車の臨時株主総会。これまでも、「話題になっている会社の株主総会に足を運んでみたい」という欲求に駆られることは度々あったのだが、自分のところの事前・事後対応とラップしてしまう定…

地位を追われた者と、追った者と、その間にある執念と。

ここのところ、やたら報道が目立つようになってきたLIXILグループの経営トップ人事をめぐる問題。 一部の海外機関投資家が声を上げ始めたのをきっかけに、最近では、現会長兼CEOの潮田洋一郎氏と、昨年秋に退任した前CEOの瀬戸欣哉氏とでどちらがCEOにふさわ…

何事も「タイミング」は大事。

昨日の一番のニュース、といえばやはりこれ。 「東京地検特捜部は4日、オマーンの販売代理店に支出した資金を自らに還流させていたとして、日産自動車元会長、カルロス・ゴーン容疑者(65)を会社法違反(特別背任)容疑で逮捕した。「オマーンルート」の強…

総会シーズンの真っただ中で、空を仰いでため息をつく。

今年に限った話ではないが、6月も中盤に差し掛かると、4月-3月を一区切りとする日本企業の多くは、否応なしに「株主総会」というフレーズを意識せざるを得なくなる。 そして、この季節は、どこまで実際に総会の運営にかかわっているかにかかわらず、連動した…

そしてまた会社法改正の季節。

最近、ひっきりなしに基本法の見直しを議論している感がある法制審議会に、今度は「会社法改正」が諮問された。 (http://www.moj.go.jp/content/001216452.pdf)諮問された内容をそのまま引用すると、 「近年における社会経済情勢の変化等に鑑み、株主総会…

こんな時代だからこそ光る、第一人者の一言。

会社法改正やら、「コーポレートガバナンスコード」制定やら、という動きもあり、最近、メディアで(特に某経済新聞で)「社外取締役が必要だ!」的な報道に接しない日はない、といってよいくらい偏向した世の中になってしまっているのであるが、そんな中、…

「監査等委員会設置会社」移行ラッシュの報に接して。

すったもんだの末に昨年改正法案が可決成立した会社法が、間もなく施行の時を迎えようとしている。 そして、そんな中、期せずして、「平成26年改正会社法」の目玉となりつつあるのが、「監査等委員会設置会社」制度である。某法律雑誌社のメルマガを見ながら…

壮絶な親子喧嘩に決着は付いたのか。

同族企業の“親子の愛憎劇”が、定時株主総会における委任状争奪戦、と結びついて、利害関係のない野次馬にとっては、格好の“見世物”になってしまった感がある、「大塚家具」事件。不幸にも、同社が「12月期」決算の会社で、記者の取材にも余裕がある(?)時…

社外取締役導入をめぐる神学論争への溜息

先の通常国会で、会社法改正案が成立し、定時株主総会において「社外取締役を置くことが相当でない理由」の説明義務が課されることになった(法327条の2)こともあって、今年から来年にかけて、上場しているレベルの会社では、社外取締役の導入が一気に進ん…

実務家の勇気あるコメント

会社法改正案が成立した、ということで、どの法律雑誌を見ても、関連する特集がてんこ盛り、といった感がある今日この頃。法案が成立した、といっても、「会社法の条文を見ているだけでは実務はできない」のがこの業界で、施行規則が公表されない限り、「改…

日本企業の「社外取締役」に対する受け止め方を象徴するようなコメント。

日経紙の月曜法務面に、「社外取締役『質』の時代」というタイトルで、企業統治のあり方をめぐる記事が掲載されている*1。これまでの日経の記事に比べると、「社外取締役を生かせない会社」の事例等も取り上げられている、という点で、若干冷静な視点に近づ…

名門企業の解職劇の衝撃。

3月決算の会社は、どこもこの時期、株主総会に向けた準備でてんやわんやの真っただ中、という状況なのではないかと思われる。 どこまで意味があるか分からないながらも、株主からの様々なアクションを想定し、練り上げたシナリオと入念なリハーサルをもって…

大山鳴動した末に・・・

民主党が政権奪取直前に衝撃的な「公開会社法案」を公表したことに端を発し、法制審議会会社法制部会で2年以上にわたって議論が続けられてきた会社法の大型改正。社外取締役の義務付け、親子会社利益相反取引規制、多重代表訴訟の導入と、一時は相当のレベル…

「何でも反対」の不可解さ

某証券会社に対する「野菜HD」絡みのあまりにセンセーショナルな株主提案を皮切りに、蓋をあけてみれば、かなり多くの会社で株主提案が乱れ飛び、波乱の様相を見せている今年の株主総会。さらに、従来(「3・11」以前)から反原発系株主の提案が出されること…

一般化できない“先進的な”取り組み。

パブリックコメントで意見が真っ二つに割れ、この先の法制審部会での“政策判断”が注目される会社法改正だが、ここに来て、「社外取締役義務付け推進派」を勢いづかせるような記事が、日経紙に掲載されている。 「日立製作所は取締役の要件などを厳格に定めた…

“社外”は最良の処方箋か?

昨年のウッドフォード社長電撃解任、そしてまさかの“飛ばし”発覚、と不祥事の大波に襲われたオリンパスが、ようやく4月20日の臨時株主総会後の新体制を発表した。 「11人の取締役のうち、過半数の6人は取引関係のない企業の出身者や弁護士」 という布陣。「…

これを“お手盛り”と言わずに何と言おうか。

ここのところ毎日のように業界の話題に上がってくる、会社法改正の中間試案の話題。経団連が予想通り、強気の意見を出してはいるものの*1、「ガバナンス強化」一辺倒の掛け声の中では多勢に無勢。おそらく、社外取締役最低1名の導入義務付けは不可避だろう、…

またしても繰り返される「社外取締役義務付け」称賛論

会社法改正、というと、脊髄反射的に「社外取締役『義務付け』」を叫ぶのが、最近の日経新聞。ということで、パブコメ募集期間真っただ中の16日付け朝刊の法務面にも、 「会社法改正議論/社外取締役「義務付け」進むか」(日本経済新聞2012年1月16日付け朝…

その正義はどこにある?

年明け早々に読み終わって、感想を書こうと思ったら、dtk氏に先を越されてしまったので*1、しばらく寝かせていた一冊について。会社法の正義作者: 草野耕一出版社/メーカー: 商事法務発売日: 2011/12/01メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 3回この商品を含…

「社外役員」を連れてくれば足りるのか?

最近、様々な企業不祥事が話題になっていることもあって、「社外取締役」や「社外監査役」といった社外役員にスポットを当てた議論が再燃している。先日公表された「会社法制の見直しに関する中間試案(第1次案)」でも、社外取締役の選任義務付け、監査・監…

改められなかった過ち。

“時代の寵児”的な地位から一瞬にして突き落とされ、刑事被告人の身となって、地裁、高裁で実刑判決を受け続けていた堀江貴文氏。控訴審でも実刑判決が維持された時点で、厳しい結果になることは十分予想されていたのであるが、結局、残念な審判(というか、…

“リーディングケース”の落ち着きどころ

会社組織再編法制と労働法のルールが交錯する興味深い分野における“リーディングケース”として注目を集めていたIBM転籍訴訟において、ついに最高裁の判決が出された。 「会社分割で新会社に転籍することになった日本IBMの従業員が、同社に転籍の無効の確認な…

幕切れ近し?

今年の3月くらいからずっと話題になっている、富士通・野副元社長辞任の件。 野副氏がいったん取り下げた後に再度申し立てた、代表取締役としての地位保全を求めた仮処分申し立てについて、裁判所が一応の判断を下したようだ。 「富士通の野副州旦元社長が「…

泥仕合の行方。

以前本ブログでも取り上げた、“富士通お家騒動”だが*1、ついに野副前社長が記者会見して、司法の場に打って出る方針を明らかにしたようである。 「昨年9月に辞任した富士通の野副州旦元社長が「不当だった」として辞任の取り消しを求めている問題で、野副氏…

無意味な反発はしなくていい。

たぶん、まだアドバルーンの段階だとは思うが、株主総会絡みの仕事をやっている人間にとっては“画期的”ともいえる金融庁の方針が、日経紙の1面に掲載されている*1。 「金融庁は2010年3月期から、上場企業などの情報開示を強化する方針だ。現在は有価証券報告…

二男坊と三男坊の明暗

昨年夏の旧長銀粉飾決算事件に続いて最高裁で弁論が開かれ、破棄自判による無罪判決が出る、というのが大方の予想だった旧日債銀粉飾決算事件。 だが、最高裁が下した判断は意外なものであった。 「旧日本債権信用銀行(現あおぞら銀行)の粉飾決算事件で、…

ある経営者の訃報に接して思うこと。

新聞の片隅にひっそりと掲載されていた訃報。 特に故人に関する情報等が付されることもなく、お亡くなりになった日付と死因、年齢及び葬儀に関する情報だけが淡々と記されている、よほど注意力のある方でなければ見過ごしてしまいそうな記事。 だが、自分に…

やっぱり民主党はやることが・・・(笑)

夏休み選挙モードに突入する中、民主党がマニフェストに“会社法の実質的な改正案らしきもの”を盛り込むらしい、というニュースが登場している。 しかし、その中身ときたら・・・ 「民主党が次期衆院選のマニフェスト(政権公約)に盛り込む新法「公開会社法…