勝負を分けるのは“個”の力。

決勝トーナメントに突入したW杯。
第1試合は、予想通り南米勢の先陣を切ってウルグアイがベスト8進出一番乗りを果たし、続く試合では、延長戦に突入する死闘の末、ガーナがアフリカ勢唯一の生き残りとしての面目を保った。


敗れた韓国にしても、アメリカにしても、チームとしては決して悪い出来ではなかったと思うし、ベスト8に残っても全く不思議ではない力を備えていたと思う。


ただ、雨で濡れたピッチで1次リーグの時のような戦闘力を十分に発揮することなく散った韓国しかり、追いついて以降、再三攻め込みながらあと僅かなところでの決定力が足りなかったアメリカ合衆国しかり、均衡した状態からあと一歩踏み出すだけの“個”の力では相手に一歩劣っていたのかなぁ・・・というのが率直な印象だ。


決勝トーナメントまで残るようなチームになれば、ある程度組織力は皆揃えているというのもあるし(従ってそこで大きな差は付かない)、それ以上に、“負ければ終わり”という状況下で、90分、120分フルに戦うとなると、どんなに堅固な組織でも最後は機能しなくなる*1


ゆえに、ワンチャンスで一発びしっと決められるかどうか、という“個”の力+運が試されることになるんだろうなぁ、と思う。



これまで、個の弱さを組織で補うのを旨としてきた日本代表にとって、次の戦いが厳しいものになるのは分かり切ったことではあるのだけれど、それは相手も大差ないような気がする。


大会前の幾多の試練を乗り越えて南アフリカの場で“個”の解放期を迎えつつある今の代表選手たちが真価を発揮すれば、あながち恥ずかしい結果にはならないんじゃないかな・・・と思うのは、身びいきに過ぎるだろうか。


何かと“組織”が前に出がちなこの国の人々に、日本人は“個”でも勝負できる、ってところを、見せてくれると嬉しいのだけれど・・・。

*1:特に、延長戦に突入してからのアメリカとガーナの戦いぶりなんかは、組織の衣をかなぐり捨てた者同士の“素手の殴り合い”を彷彿させるものであった(そして、そういう状況では勝てない、というのがいかにもアメリカらしいとも思った(笑)。延長戦終盤のセットプレーでGKハワードのオーバーラップが効を奏するようなことになれば、米国も新境地を切り開けたのだろうけど・・・。)。

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