13度目の正直。

卓球の全日本選手権、女子シングルスで、長年タイトルに手が届かなかった福原愛選手が遂に優勝を飾った。

何と、この種目に13度目の挑戦での栄冠。

ちっちゃな子供の頃から「天才少女」として名を馳せ、「いずれフェードアウトするだろう」、「所詮は早熟の“テレビタレント”」と、彼女の“転落”を密かに期待している意地悪な視聴者をあざ笑うかのように着実に結果を残してきた彼女も、このタイトルだけにはどうしても手が届かなかった。

2度の五輪で、個人としては必ずしも期待された通りの結果を残せず、昨年は年下の石川佳純選手にまで、日本選手権で先を越されてしまう不覚。

最後までこのタイトルだけには手が届かないまま、終わってしまうのではないか・・・、という予感さえあった。

だが、準決勝で優勝5度を誇る平野早矢香選手をストレートで撃破し、決勝では、前年のチャンピオン、石川佳純選手に対し、1セットを失っただけで見事に完勝。

長年の鬱積したものをすべて吹き飛ばすような、爽快な戴冠劇であった。

「福原はこの勝利で女子ダブルス、混合ダブルスを含めて一般の全日本のすべてのタイトルを獲得した。一般の3冠選手は何人もいるが、福原がすごいのは各年代別のすべての種目で日本一に輝いていることだ。」(日本経済新聞2012年1月22日付け朝刊・第29面)

バンビ、カブ、ホープス、ジュニア・・・。

フィギュアスケートなどとは違って、比較的後になってからラケットを握る選手が多いこの競技で、小学校低学年から「日本一」のレベルを保ち続ける、というのは並大抵のことではないはずだ。

優勝した翌日のスポーツニュースで、一言二言のコメントを発していた彼女の姿は、長年カメラの前に立ってきた貫禄を示すかのような、実に落ち着いた穏やかなものであったが、優勝を決めた直後は、長年彼女を指導してきたコーチの名前を挙げて「感謝の涙を流した」というから、やはり相当、期するものはあったのだろう。


既に石川佳純選手とともに、ロンドン五輪日本代表の座を確保している福原選手。

早くから海外に出て、日本女子チームの力をこれまでにないレベルにまで引き上げる先鞭を付けるような立派な仕事を数多くしているにもかかわらず、高すぎる国民的な知名度が、「世界ランク一ケタ台」という彼女の誇るべきポジションの価値をかえって薄めてしまっているのではないか・・・

前回の五輪以降、ゴシップ的記事で名前を見かけることも多かった中、そんなふうにも思えることも多々あったのだけれど、名実ともに“日本一”の選手として臨む今回の五輪で、長年大舞台でもまれ続けた彼女の真価が発揮されることを願ってやまない*1

*1:今年の夏の楽しみが、また一つ増えたような気がする。