宴が終わる寂しさ。

今年の夏を華やかな彩で飾ったロンドン五輪も、とうとう終わりを迎えることになってしまった。

逃げ場のない現実の仕事からの逃避も兼ねて(苦笑)、連日五輪関係のエントリーを上げ続けてきた当ブログも、これが最終日、ということで、本来なら、「明暗」の後編で締めるつもりだったのだが*1、後半戦に入っても全く衰えを知らなかった日本代表選手団の勢い、そして最終日(日本基準)の未明から夜にかけての大フィーバーを見てしまうと、柔道以外に語るべき「暗」のネタが容易には思い付かない*2

開会式前から、男女ともサッカーで快勝(特に、男子は打倒スペイン、という痛快な勝利)。
開幕するや否や、三宅宏実選手の重量挙げ銀メダル*3を皮切りに、取るわ取るわで、連日、未明までメダル獲得!の速報テロップの音が鳴り響く・・・*4。結果、メダルの数も過去最高。

しかも、サッカーとかバレーボールのような、勝ち残れば残るほど、大会期間を長く楽しめる競技で、軒並み上位に食い込んだ・・・とくれば、盛り上がりも半端ではないわけで・・・。

自分が物心付いてから、結構な数のオリンピックを見てきたつもりだけど、初日から最終日まで、絶えることなく日本勢がメダルを取り続けた五輪、というのはちょっと記憶にないし、これから先も、もう見ることはないのかもしれない。

金メダルの数が少ない、という突っ込みも一部ではあるようだが、日本のお家芸、柔道だけで金メダルを量産して、あとの競技は入賞なら御の字だった時代に比べれば、幅広い競技で結果を残せた分、内容的には遥かに良い*5

しかも、卓球のように競技採用されて以来初のメダルを取った競技があったかと思えば、12年ぶり、16年ぶり、24年ぶり、28年ぶり・・・、挙句の果てにはメキシコ五輪以来(サッカー男子ベスト4)、東京五輪以来(ボクシング金メダル)と、ヴィンテージ級の復活を遂げた競技も多く、筆者自身、懐かしい名前とともに、子供の頃の思い出を説き起こす機会に恵まれたのは、非常に嬉しかった*6

メディアがあえて過剰に騒がなくても、選手や競技の過去の経歴や戦績をそのままを伝えるだけで、十分“ドラマ”になった、というのも、今大会の特徴ではないかと思う。

小原日登美選手の競技人生を語るのに一切の脚色はいらないし、大友愛選手や寺川綾選手、といったアテネ五輪からの復活組についても同様。そして、レミオロメンの名曲がBGMとして流れる北京五輪の大会総集編映像を見れば、卓球三人娘の悲願も、三宅選手の親子での挑戦も、そして、“なでしこ”JAPANも、今大会の輝きに至るまでの道は、4年前から続いていることが良く分かる。

何より、日々残している結果が凄いので、いつもなら必死で煽るメディアが、むしろその勢いに付いていけずに、淡々と結果を伝えざるを得ないようなところもあって*7、それが却って、映像からダイレクトに伝わる、染みわたるような感動を湧き起こしたところもあるのではないか、と。


・・・ということで、語りだすとキリがないので、この場はここまで。

大会期間中の盛り上がりがあまりに大きかったゆえに、終わった後に心にぽっくりと穴が空いてしまいそうな気もするのだけれど、今は残り短い夏、何とか現実に戻れることを願うのみである。

*1:前編は、http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20120805/1344356379

*2:あえて挙げるなら、いつになく不振だった「陸上」ということになるのだろうけど、これだって、室伏選手はきっちり銅メダルを取っているし、最後に来て、4×100mリレーの決勝進出や、男子マラソンでの中本健太郎選手の快走など、あと一歩、的な前向きな話もたくさん出てきたため、「暗」としてコメントするのはちょっと忍びない。

*3:柔道の方が先だったかもしれないが、とりあえずインパクトが強かったのはこっちのほうなので・・・。

*4:もっとも、いろんな方が指摘しているように、日本人選手がメダルを取った時に、中継しているテレビ局まで「速報」を流すのはどうかと思った(笑)。前回まではそんなことなかったと思うんだけど・・・。

*5:上村選手団長は、出身母体の状況が状況だけに、あえて手放しで喜ばない理由も何となく分かるのだけれど、メディアまでその類の自己評価に乗っかるのは、どうかと思う。

*6:最終日に、ボクシングが48年ぶり、男子レスリングが24年ぶり、と熟成された歴史を背負った金メダルを勝ちとり、「メダルの色が・・・」的な批判も一気に封じるような戦果を挙げたあたりも、(偶然とはいえ)素晴らしかった。

*7:これだけ連日活躍する競技、選手が出ると、一つひとつに時間を割くことすら容易ではないだろうから・・・。