独禁

「1+1」で「2」になるか?

昨日から世の中を賑わせている「一大経営統合」のニュース。 「検索サービス「ヤフー」を展開するZホールディングス(HD)とLINEが経営統合に向けて最終調整に入った。LINEの対話アプリの利用者は約8千万人で、ヤフーのサービスは5千万人に上る。金融や小売…

立ち返るべき原点が見えなくなってしまう前に -プラットフォーマーと個人情報を提供する消費者との取引における公取委ガイドライン(案)に関するメモ-

今年に入ってからずっとメディアを賑わせ続けている「巨大IT企業に対する独禁法規制」の話が、先週、いよいよ具体的なガイドライン(案)の形で世に出てくることになった。 「公正取引委員会は29日、プラットフォーマーと呼ばれるIT(情報技術)企業を独占禁…

公取委の「注意」報道をめぐるモヤモヤ感。

水曜日の夜くらいから飛び交い始めた「公正取引委員会が元SMAPメンバーの起用妨害に関してジャニーズ事務所を注意」というニュース。元々「SMAP」をめぐっては、2016年の「屈辱会見」から「解散報道」を経て、「事務所vs三人衆(+残った一人)」のきな臭い…

「独禁法」適用領域の拡大はまだまだ止まらないのか?

今年の4月に、「デジタル・プラットフォーマーを巡る取引環境整備に関する検討会」の動きと相まって、新聞紙上を賑わせた「独禁法によるプラットフォーマー規制」問題。「大手プラットフォーマーによる寡占状態に適切な規律を及ぼすのは競争政策の役割だ」と…

世界中で猫を売るのは楽じゃない。~サンリオEU競争法違反報道に接して

「ハローキティ」といえば、説明不要の「日本史上最強キャラクター」である。中国、韓国の有名ブランドのショップはあっても、「日本」ブランドは、小売店にしても飲食店にしても、影も形もない、という国は世界中に数多あるのだが*1、そんな国でも、トヨタ…

すったもんだの末に・・・。~令和元年改正独禁法成立。

さすがに気付いてはいたものの、記事の扱いとしては非常に小さかったし(見出しも含めて雑件欄で僅か8行)、翌日の朝刊でのフォローもなし、と、1年前にまさかの”足踏み”の憂き目を見た割にはあっさりと可決成立してしまった感のある改正独禁法。 「公正取引…

過剰なまでの「介入」の果てに。

今の政権になってから、経産省がやたら元気よくあちこちに首を突っ込んでくるようになったこともあって、一部の政府機関(特に目立つのは総務省と公取委だろうか・・・)が競い合うように存在感のアピールに走るようになったし、官邸は官邸で時々人気取りの…

”黒船”が救世主になる皮肉。

知財業界の中では、ひそかに囁かれていた話ではあったのだけど、いざ記事になったのを見るとやはり複雑な気分になる。 米ネットフリックスと日本のアニメ産業の「包括的業務提携」の話題。 「動画配信世界最大手の米ネットフリックスが、日本のアニメ産業で…

「プラットフォーマー規制」と「個人情報保護」の交錯。

先日のエントリー*1でも取り上げた「巨大プラットフォーマー規制」の概要が、4月24日に開催された「デジタル・プラットフォーマーを巡る取引環境整備に関する検討会」で公表されたようである。残念ながら公取委、経産省、総務省のいずれのWebサイトを見ても…

場違いな「独占禁止法適用」議論に思うこと。

最近は日本でも国際的な潮流に(一周遅れで)乗っかって、あの手この手でメガIT企業を叩く動きが活発化しているのだが、今日も華々しく1面に見出しが躍った。 「個人データ乱用を規制 政府、IT大手に独禁法で 中小事業者保護へ新法も 」*1 この「IT大手に…

器の大きさ

この週末は、本来なら、数日前に話題になった↓のネタなどを肴に、日本法の下でのMFN条項に対する規制の是非等、少し背伸びした議論でもしようかと思っていた。www.nikkei.com でも、気の置けない人とのまったりとした話の場になると、やっぱりどうしても、目…

何度でも言うのだけれど・・・

東京地検がムキになって、大成建設への捜索を繰り返していたのを見た時点で、ここまでやってくることは十分想像がついていたのだけれど、やはりこうして記事になると憤りを隠せないのがこのニュース。 「リニア中央新幹線の建設工事をめぐる入札談合事件で、…

これが許されるやり方なのか?〜リニア談合疑惑をめぐる東京地検特捜部の暴挙

ちょうど一か月前、リニア談合疑惑に関し、被疑事実を否認している大成建設、鹿島建設の両社に対して異例の「再捜索」が行われたことについて、自分は憤怒の気持ちを込めて一本のエントリーを上げた*1。それからしばらく静かに時が流れ、そろそろ落としどこ…

国家権力と戦うということ。

年が明け、被疑事実を認めるかどうかについてのゼネコン各社の対応が鮮明に分かれ始めたことで、俄然興味深い展開になってきた「リニア談合」疑惑。 先月は、このブログでも、2度3度ならず4度まで取り上げてしまった。 ■「鹿島建設の勇気ある決断」 http://d…

リーニエンシーの落とし穴

これまで、朝日新聞が一貫して「受注調整を認める方針」と報じる一方で*1、日経紙は「(受注調整を認めず)自主申告をしない方針を固めた」と報じていて*2、独禁業界の関心を一手に集めていた清水建設が、遂に動いた、ようである。 「リニア中央新幹線の建設…

おいおい、どっちなんだか。

今日は書くとしても違うネタにするつもりだったのだが、朝、ヤフーの速報を見て吹きそうになったこともあって、備忘的に、以下のニュースを残しておくことにする。 「リニア中央新幹線の建設工事を巡り、大林組、大成建設、鹿島、清水建設のゼネコン大手4社…

「3対1」の構図の中で。

何で沈黙を保ってるんだろう、と呟いた数時間後に、こんな記事を持ってくるとはさすが日経、である。 「リニア中央新幹線の建設工事を巡る入札談合事件で、鹿島、大成建設、清水建設の大手ゼネコン3社が、独占禁止法の課徴金減免(リーニエンシー)制度に基…

鹿島建設の勇気ある判断

昨年末、泣く子も黙る特捜部が唐突に動いて世の中を騒がせた「リニア入札談合」に関し、週末、あっと驚くような記事が出た。 「リニア中央新幹線の建設工事を巡る談合事件で、大手ゼネコン「鹿島建設」(東京)が社内調査の結果、会社として受注調整には関与…

公取委を足踏みさせた“神風”

昨年、独占禁止法研究会の報告書が出た頃には、ほぼ導入不可避だろう、と思われていた独禁法の「裁量的課徴金制度」だったが、俄かに急転直下の様相を見せるようになってきた。 「公正取引委員会は10日、22日召集予定の通常国会への独占禁止法の改正案提出を…

「裁量型課徴金制度導入」のアドバルーンがもたらす影響

年末に、「独占禁止法審査手続に関する指針」を出して、揺るがないスタンスを改めて明らかにした*1公正取引委員会から、年明け早々、さらに新しいアドバルーンが打ち上げられた。 「公正取引委員会は独占禁止法に違反した企業への課徴金制度を見直す。カルテ…

最後まで譲らなかった公取委。

ここ数年、有識者会議等の場で激しい論争が繰り広げられていた「独占禁止法審査手続」だが、年の瀬も押し迫った12月25日付、というタイミングで、公正取引委員会から「独占禁止法審査手続に関する指針」が正式に公表されることになった。http://www.jftc.go.…

解消された一つのモヤモヤ。〜JASRAC最高裁判決に対する調査官コメントに接して

本年4月に上告審判決が出され、「排除措置命令を取り消した審決を取り消した高裁判決」*1が確定したJASRAC事件。高裁、最高裁が示した「排除型私的独占」該当性の判断枠組みや、「排除効果の有無」に関する判断の内容に対しては、自分も何となく、“こんなも…

最高裁が示したファイナルアンサー〜JASRAC審決取消訴訟上告審判決

平成21年2月27日に公取委が排除措置命令を出して以降、独禁法関係者にとっても、知財関係者にとっても、常に注目の的となっていた「JASRAC事件」。審判に移行した後にまさかの取消審決が出たかと思えば(平成24年6月12日)、その翌年に、JASRACの競争者であ…

誰もが急には変われない〜送電線工事談合報道に接して。

公取委の審査をめぐっては、様々な批判があるし、結論が二転三転しているJASRAC事件のように、事実認定の難しさを痛感させられるようなケースも多い。 だが、今回の件に関しては、公取委の審査官も楽に仕事ができたのではないかと思う。 「東京電力が発注す…

混乱の最中にひっそりと可決された一法案

最近、深夜のニュース番組さえロクロク見ることができない生活を送っていたせいで、新聞とネットニュース以外のメディア報道の感覚がほとんど分からない状況だった*1のだが、結局、6日の深夜に、与野党がバトルを展開したまま、特定秘密保護法が参院本会議で…

再びの大逆転劇〜JASRAC公取委審決取消訴訟での波乱

以前、公取委の逆転勝利審決濃厚、というサプライズニュースが飛び込んできたのは、1年半以上も前のことだった*1。それ以降、昨年6月に審決が出され*2、被審人ではない株式会社イーライセンスが果敢に審決取消訴訟を提起した、というところまでは一応フォロ…

「消費税還元セール禁止」への疑問

数日前の日経紙の1面に「政府が消費税還元セールを禁止へ」という記事が掲載されて仰天したばかりだったのだが、18日付の日経法務面で、早速そのネタが取り上げられている。 「政府は2014年4月の消費増税の際に、中小企業が円滑に増税分を価格に上乗せできる…

公取委の“頑張り”がもたらすもの

年が変わった、ということで、「2012年」一年間のあれこれの数字が、ここ数日、新聞紙上を賑わせているのを良く見かける。 記事を見て、「やっぱり・・・」と思うことも多いのだが、以下の記事もまさにその典型。 「下請け業者に支払う代金を不当に減額した…

これぞ珠玉の特集〜BLJ2013年2月号より。

今年最後の発刊となった「Business Law Journal」の2013年2月号。 メインの特集は、毎年恒例となった「法務のためのブックガイド」2013年版で、表紙の洒落たデザインと合わせて「定番」ならでは良さも随所に見られる企画なのだが、今回はそれ以上に、第2特集…

ニッチな攻防の末の妥協?〜企業結合審査をめぐる公取委のセンス

地デジバブルが去り、メーカーともども、日々崖っぷちに近づいている感がある家電量販業界。ヤマダ電機が、約半年前にベスト電器との「資本・業務提携」を発表した時も、当事者の大本営発表で描かれているような“前向きな提携”をイメージできた人は稀で、多…

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