独禁

またしても持ち出された「優越的地位の濫用」に思うこと。

水面下では既に動きがあったのかもしれないが、自分には初耳だったこのニュース。 「公正取引委員会は新規株式公開(IPO)時に企業が適切に資金調達できているかの調査を始めた。事前に証券会社などと決める公開価格と、最初に売買が成立した初値の差が欧米…

海の向こうの”サプライズ”に思うこと。

ここに来て、これから何かとんでもないことが起きるんじゃないか、というくらい、あちこちで想像を超えた小ネタが日々生み出されている今日この頃なのだが、海の向こうからも随分派手なニュースが飛び込んできた。 「米国で企業の独占や寡占を厳しく取り締ま…

デジタル広告分野における「独占」の意味。

最近、公正取引委員会が、これまであまり切り込んでこなかった分野で、実態調査のアンケート結果を交えつつボリュームのある報告書を出す機会が随分と増えたような気がする。今月の中旬に出された「デジタル広告分野の取引実態に関する最終報告書」もそう。 …

「正義」の所在~2つのガイドラインに関するちょっとした感想。

企業法務の分野で2020年という年を振り返った時に、もっともインパクトの強かったテーマを上げるとしたら、やはり競争政策に関する話題、ということになるだろう。国外では米国・欧州で、競争当局とGAFAとの戦いが本格的に幕を開けたともいうべき一年となっ…

これは朗報、なのだろうか?

さすが年の瀬、という感じで、やりたいことに割ける時間がじわじわと削られ、何事も消化不良になりがちな今日この頃。世の中的には「週末」でも、ほぼ平常稼働でげんなりしていた時に目に飛び込んできたのがこのニュースだった。 「政府はフリーランスとして…

民法は変わっても変わらぬものがここにあり・・・。

自分ではそこそこの頻度で書き散らかしておきながら、慌ただしさにかまけて他の方が書かれたものはほとんど読まない、というのが自分の長年の習わしだったりするのだけど、最近見つけて思わず目を止めたのが法務系ブログがこちら(↓)である。legalxdesign.h…

人生の中で「挑む」ということ。

日本経済新聞の朝刊に、自分が生まれる前からずっと掲載され続けている定番コラム、「私の履歴書」。月替わりで繰り広げられる連載の中でも、いわゆる「企業人」の方が主役になっている時は、書かれていることだけではなく、「書かれていないこと」の裏読み…

これが頂点を極めた者の宿命ということは知りつつも・・・。

既に今日は様々なところで話題になっているが、改めて、ということでこのニュースである。 「米司法省は20日、反トラスト法(独占禁止法)違反で米グーグルを提訴した。ネット検索市場での圧倒的な支配力を利用し、自社サービスを優遇する契約をスマートフォ…

これがビジネスモデル転換の第一歩になることを願って。

ここ数年、様々な観点から批判に晒されているコンビニ業界のフランチャイズ契約モデルだが、遂にここまで来たか・・・という感のある記事が、今朝の日経紙1面に掲載された。 「公正取引委員会は2日、コンビニエンスストア本部がフランチャイズチェーン(略)…

最近の法律雑誌より~ジュリスト2020年7月号

このブログでも長らく連日連夜「緊急特番」みたいな状況が続いていたのだけど、さすがにそろそろじっくりと法律雑誌を読めるような日常に近づけていきたいな、ということで、久々にこのざっくりとした標題を付けてみたり。ジュリスト 2020年 07 月号 [雑誌]…

あれから1年、「プラットフォーム規制」の現在の到達点。

最近はこのブログも、もっぱらコロナの話題一色になってしまっているのだが、そうはいっても自分の中では一つの節目の日だったので、1年前に何を書いていたかな?と思って見返したら、そういえば以下のような記事だった。k-houmu-sensi2005.hatenablog.comあ…

「違反のおそれ」が独り歩きする不可思議

大手プラットフォーマーが「成功例」としてもてはやされていた時代は去り、今や世界中で逆風に晒される存在になってしまっている。市場に新風を吹き込む「新興企業」から、「市場の支配者」になってしまった以上仕方ない、といえばそれまで。ただ、こと日本…

軋むビジネスモデルに介入すべきは「法」なのか?それとも・・・? ~ジュリスト2020年1月号特集より

最近、「成功事例」として長くもてはやされていたビジネスモデルの”軋み”を見せつけられることが多くなった気がする。その典型がコンビニエンスストアのFCモデルで、セブンイレブンが1号店を出してから半世紀近く、その間に訪れた景気の谷すら勢いに変えて、…

「デジタル・プラットフォーマー」をめぐる今年の議論の締めに。

2019年、という年を法務的見地から振り返った時に、「今年一番のトピック」として挙げられるのは、春以降一気に盛り上がった「巨大プラットフォーマー規制」の話題だと自分は思っている。「別にうちはIT系のプラットフォームなんて展開してないから興味ない…

「1+1」で「2」になるか?

昨日から世の中を賑わせている「一大経営統合」のニュース。 「検索サービス「ヤフー」を展開するZホールディングス(HD)とLINEが経営統合に向けて最終調整に入った。LINEの対話アプリの利用者は約8千万人で、ヤフーのサービスは5千万人に上る。金融や小売…

立ち返るべき原点が見えなくなってしまう前に -プラットフォーマーと個人情報を提供する消費者との取引における公取委ガイドライン(案)に関するメモ-

今年に入ってからずっとメディアを賑わせ続けている「巨大IT企業に対する独禁法規制」の話が、先週、いよいよ具体的なガイドライン(案)の形で世に出てくることになった。 「公正取引委員会は29日、プラットフォーマーと呼ばれるIT(情報技術)企業を独占禁…

公取委の「注意」報道をめぐるモヤモヤ感。

水曜日の夜くらいから飛び交い始めた「公正取引委員会が元SMAPメンバーの起用妨害に関してジャニーズ事務所を注意」というニュース。元々「SMAP」をめぐっては、2016年の「屈辱会見」から「解散報道」を経て、「事務所vs三人衆(+残った一人)」のきな臭い…

「独禁法」適用領域の拡大はまだまだ止まらないのか?

今年の4月に、「デジタル・プラットフォーマーを巡る取引環境整備に関する検討会」の動きと相まって、新聞紙上を賑わせた「独禁法によるプラットフォーマー規制」問題。「大手プラットフォーマーによる寡占状態に適切な規律を及ぼすのは競争政策の役割だ」と…

世界中で猫を売るのは楽じゃない。~サンリオEU競争法違反報道に接して

「ハローキティ」といえば、説明不要の「日本史上最強キャラクター」である。中国、韓国の有名ブランドのショップはあっても、「日本」ブランドは、小売店にしても飲食店にしても、影も形もない、という国は世界中に数多あるのだが*1、そんな国でも、トヨタ…

すったもんだの末に・・・。~令和元年改正独禁法成立。

さすがに気付いてはいたものの、記事の扱いとしては非常に小さかったし(見出しも含めて雑件欄で僅か8行)、翌日の朝刊でのフォローもなし、と、1年前にまさかの”足踏み”の憂き目を見た割にはあっさりと可決成立してしまった感のある改正独禁法。 「公正取引…

過剰なまでの「介入」の果てに。

今の政権になってから、経産省がやたら元気よくあちこちに首を突っ込んでくるようになったこともあって、一部の政府機関(特に目立つのは総務省と公取委だろうか・・・)が競い合うように存在感のアピールに走るようになったし、官邸は官邸で時々人気取りの…

”黒船”が救世主になる皮肉。

知財業界の中では、ひそかに囁かれていた話ではあったのだけど、いざ記事になったのを見るとやはり複雑な気分になる。 米ネットフリックスと日本のアニメ産業の「包括的業務提携」の話題。 「動画配信世界最大手の米ネットフリックスが、日本のアニメ産業で…

「プラットフォーマー規制」と「個人情報保護」の交錯。

先日のエントリー*1でも取り上げた「巨大プラットフォーマー規制」の概要が、4月24日に開催された「デジタル・プラットフォーマーを巡る取引環境整備に関する検討会」で公表されたようである。残念ながら公取委、経産省、総務省のいずれのWebサイトを見ても…

場違いな「独占禁止法適用」議論に思うこと。

最近は日本でも国際的な潮流に(一周遅れで)乗っかって、あの手この手でメガIT企業を叩く動きが活発化しているのだが、今日も華々しく1面に見出しが躍った。 「個人データ乱用を規制 政府、IT大手に独禁法で 中小事業者保護へ新法も 」*1 この「IT大手に…

器の大きさ

この週末は、本来なら、数日前に話題になった↓のネタなどを肴に、日本法の下でのMFN条項に対する規制の是非等、少し背伸びした議論でもしようかと思っていた。www.nikkei.com でも、気の置けない人とのまったりとした話の場になると、やっぱりどうしても、目…

何度でも言うのだけれど・・・

東京地検がムキになって、大成建設への捜索を繰り返していたのを見た時点で、ここまでやってくることは十分想像がついていたのだけれど、やはりこうして記事になると憤りを隠せないのがこのニュース。 「リニア中央新幹線の建設工事をめぐる入札談合事件で、…

これが許されるやり方なのか?〜リニア談合疑惑をめぐる東京地検特捜部の暴挙

ちょうど一か月前、リニア談合疑惑に関し、被疑事実を否認している大成建設、鹿島建設の両社に対して異例の「再捜索」が行われたことについて、自分は憤怒の気持ちを込めて一本のエントリーを上げた*1。それからしばらく静かに時が流れ、そろそろ落としどこ…

国家権力と戦うということ。

年が明け、被疑事実を認めるかどうかについてのゼネコン各社の対応が鮮明に分かれ始めたことで、俄然興味深い展開になってきた「リニア談合」疑惑。 先月は、このブログでも、2度3度ならず4度まで取り上げてしまった。 ■「鹿島建設の勇気ある決断」 http://d…

リーニエンシーの落とし穴

これまで、朝日新聞が一貫して「受注調整を認める方針」と報じる一方で*1、日経紙は「(受注調整を認めず)自主申告をしない方針を固めた」と報じていて*2、独禁業界の関心を一手に集めていた清水建設が、遂に動いた、ようである。 「リニア中央新幹線の建設…

おいおい、どっちなんだか。

今日は書くとしても違うネタにするつもりだったのだが、朝、ヤフーの速報を見て吹きそうになったこともあって、備忘的に、以下のニュースを残しておくことにする。 「リニア中央新幹線の建設工事を巡り、大林組、大成建設、鹿島、清水建設のゼネコン大手4社…

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