試される代表の真価。

日本が初めてW杯に出た頃は、「組み合わせ抽選」もちょっとした大イベントで、眠い目をこすりつつも、一喜一憂してグループが決まっていく様子を眺めていたものだが、さすがにもう5回目、となると、結果だけ見ればいいや・・・ということになってくる。

で、決まった結果は・・・

「ブラジル北東部のコスタドサウイペで6日、来年のサッカー・ワールドカップ(W杯)ブラジル大会の組み合わせ抽選会が行われ、日本は1次リーグC組で、コロンビア、コートジボワールギリシャと対戦することになった。」(日本経済新聞2013年12月8日付け朝刊・第32面)

「実は今大会の『最混戦区』といえる」という記者のコメントには、「組み合わせに恵まれたように感じられる」という世間一般の印象も含意されているのだろうが、今の日本代表の世界での立ち位置を考えると、どこに入ったところで、決して「楽なグループ」にはなりえない。

C組の対戦相手となるどの国も、“各大陸No.1”の称号を掲げるには、今一歩足りない国々だが、それでもコロンビアはエクアドルよりは遥かに強いし、コートジボワールもアフリカ大陸の国の中では、選手の経験値もチームとしての完成度(といっても、あくまでアフリカ大陸の中での相対的な話に過ぎないが)も格段に高い。

ちなみに、先週発売のNumber誌では、「W杯出場32カ国を格付する。」という特集が組まれており、各国のランク付けがなされているのだが、それによると、

コロンビア B
コートジボワール C
日本 C
ギリシャ D

という順番。

コロンビアに関しては、ファルカオもいるし、何と言っても、チームを率いるのが、アルゼンチンで黄金時代を築く一歩手前まで行った名将ぺケルマン、そして、南米大陸でのW杯、という地の利もあるから、日本代表がこの相手に勝ち点を計算するのは、なかなか難しいだろう。
それゆえ、初戦のコートジボワール、2戦目のギリシャで、着実に勝ち点を6つ積み重ねておくことが、至上命題・・・ということになるが、コートジボワールは、ドログバをはじめとする歴戦の勇者たちが、「3度目の正直」を虎視眈々と狙っているだろうし、ギリシャのような平均身長の高いチームは、伝統的に日本が最も苦手とするタイプの国でもある。

W杯予選終盤から10月のオランダ遠征にかけての、日本代表の下がりまくった運気は、先日のオランダ戦、ベルギー戦で少し回復基調になってはいるものの、まだまだ、ザッケローニという監督に全面的な肯定評価をするのは難しいし、それ以上に代表選手たちのポテンシャルと勝負強さ、といったものにも、信頼がおけそうでいて、まだまだ未知の部分はたくさん残っている。

簡単に勝てる相手ではない、かといって、負けた時にエクスキューズが効くほど名の通った相手でもない・・・
そんな状況だけに、このW杯でどこまでの成果を残せるのか、ということが、日本代表の真価を図る上での最大のリトマス試験紙になるような気がしてならないのである。


ちなみに、先ほど紹介したNumber誌の格付によると、他のグループの状況は、ざっと↓のような感じとなる。

グループA
ブラジル A
クロアチア D
メキシコ D
カメルーン D

グループB
スペイン A
オランダ B
チリ C
オーストラリア D

グループD
イタリア B
イングランド B
ウルグアイ C
コスタリカ E

グループE
スイス C
フランス C
エクアドル D
ホンジュラス E

グループF
アルゼンチン A
ボスニア C
ナイジェリア D
イラン E

グループG
ドイツ A
ポルトガル C
ガーナ C
アメリカ C

グループH
ベルギー B
ロシア C
韓国 D
アルジェリア E

既にいろいろ報道されているグループDはもちろん、グループBやグループG、といった組も、有力国、伝統国同士でかなり激しいバトルが展開されることが予想される。

まだだいぶ先のことのようで、あっという間に訪れる、というのが、今の状況だけに、約半年後に迫ったW杯でどんなドラマが描かれるのか、想像をたくましくしながら、待つことにしたい。

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