10分間で魅せた最上級のパフォーマンス

リオ五輪の閉会式、引き継ぎセレモニーがあることは過去の大会の記憶やら諸々の情報やらで分かっていたのだけれど、これをやるとは・・・、というサプライズ演出で2020年にバトンが渡されることになった。

一国の首相にコスプレをさせたことに始まり、その後のショーに至るまで見た人の価値観によって大きく評価が変わってくる中身だったとは思うが、自分は、10分間という短い時間の中で「日本」を表現する上で一連の演出はほぼベストに近いものだったと思うし、五輪の閉会式本番、という大舞台で、ああいう思い切ったエンターテイメントを提供することにゴーサインを出した関係者の勇気を率直に称賛したいと思っている。

元々、「日本人が伝えたいと思っている日本」と「外国人が思っている日本」は重なりそうで重なり得ないものだから、この種の世界的なイベントで行われるPRには、“強調するのそこかよ!”というフラストレーションが付きものなのだが、そこは割り切るしかないところ。

そして、過去のビッグイベントでのパフォーマンスに比べれば、今回のそれは、「閉会式」という華やかな場に違和感なく溶け込んでいけるショー性と入れ込んだ中身のバランスが抜群に良かった。

個人的には、2020年の最大の不安は「開会式」だと思っていただけに、椎名林檎中田ヤスタカにプロデュースを委ねるようなこの路線がそのまま本番まで継承されるのであれば、不安材料は多少なりとも解消される*1

「10分」では済まない開会式の演出となると、各所からあれもこれも、という注文が付くことは避けられないだろうし、いろいろ詰め込もうとすればするほど、後々まで笑い種になる悲劇的な寸劇に陥ってしまう可能性は高いのだけれど*2、どうせ地元でやるからには思い切って、その時、一番脂がのっている世代のクリエイター達の価値観一色で染めたものを世界に見せつけてくれ、と思わずにはいられない。

まだまだ先の話だと思っていても、気が付けばすぐ、の話だから・・・。

*1:これで蜷川実花が加われば、色艶華としては最高レベルの演出が期待できそうである。

*2:例えば、「巫女が蝶々夫人のBGMで点火する」というような悲劇。