2016年10月3日のメモ

週が変わって、やっぱり10月だなぁ・・・と思ってしまうエピソードが満載なのであるが、やるしかない。
体壊さない程度に。

JASRAC新理事長のインタビュー

最近、著作権業界の動きにはすっかり疎くなっていて、「6年ぶりにJASRACのトップが交代」というニュースも、今日の日経紙の法務面を見て初めて知った。

新理事長の浅石道夫氏といえば、常務理事時代、権利者側を代表して文化審議会著作権分科会の小委など、数々の著作権制度の議論の場に登場され、ユーザー側の委員とのバトルの矢面に立たれていた“論客”である。
そして、理事長就任以降も、今回のインタビュー関係でも言及されているように、幅広い分野のコンテンツの「拡大集中許諾制度」をあちこちで提唱されている、ということで、一部のユーザー側からは危惧する声も出ているようだ*1

個人的には、「権利関係が複雑な(あるいは良くわからない)ので、使いたくても使えない」著作物を世の中で有効に活用するためには、「拡大集中許諾制度」という制度設計も全くあり得ないわけではないと思っているし、今回のインタビュー記事で浅石氏が語っておられるような、

「著作物は使われてこそ意義があり、利便性を高めて利用を促進すれば使用料の徴収も増え、権利者に還元できる。」(日本経済新聞2016年10月3日付朝刊・第15面)

という発想には、自分も共感するところが多い。

現在のJASRACモデルがベストだとは思わないが、「利用者の窓口の一元化」自体は今後に向けた重要な課題だし、利用者側の立場から見ても、安易なフェアユース導入議論に乗っかるより*2、リスクとストレスを確実に減らせる手段だけに、そんなにおかしなことを言っているわけではないよね、と、思うところである。

なお、「著作権使用料の徴収方式を巡る排除措置命令で、審判請求を取り下げた理由は何ですか」という問いに対し、環境の変化やJASRACに対する損害賠償請求の取下げ、といった事情と共に、

「長年係争を続けてきた担当者にこぶしを下ろせというのも酷な話で、役員刷新も一つの契機となった」(同上、強調筆者)

というのを挙げられていたのを見て、どこの組織でも同じような話はあるんだな、と思ったことも付言しておきたい。

予測不能な世論の風

先日、立場によって評価は様々だなぁ、と呟いた*3米大統領選のテレビ討論会で、案の定トランプ候補の陣営が「勝利」を主張している、というニュースが取り上げられている*4

記事自体は、どちらかと言えばネットを通じた「トランプ優位」の投票結果に懐疑的な目を向ける方向で書かれているのだが、こと選挙に関して言えば、回答者が実際に投票に行くかどうかわからない「無作為抽出による統計的調査」と、熱狂的な回答者は確実に投票に行く「インターネット調査」のどちらが結果に直結するのか、何とも言えないところはあるような気がする。

インテリ層がトランプ候補の言動に眉を顰め、“旋風”に対して懐疑的な論調のコメントを発し続ければ続けるほど、大きな現実とのギャップが生まれる、というのがこれまでの展開だっただけに、現在一部のネットメディア上でみられるトランプ氏への“評価”もまた、今後の波乱を暗示しているように思えるのは自分だけだろうか。

セ・リーグ全日程終了

広島がぶっちぎり(結局17.5ゲーム差)で優勝を飾ったセ・リーグがリーグ戦の日程を終えた。

ヤクルトの山田哲人選手が「2年連続トリプル3」の偉業を達成していたり、ベイスターズ筒香嘉智選手が遂に本格開眼して本塁打、打点の2冠に輝いたり、と、個人タイトルに関してはいろいろと興味深いニュースもあるのだが、そんな中、優勝争いとも、個人タイトル争いともほぼ無縁だったタイガースが、終盤に来てスルスルと連勝を積み重ね、気が付けば4位でシーズンを終えている。

今季急成長を遂げた岩貞投手が最終戦も勝って10勝目を挙げたり、辛抱強く使われ続けた高山選手が球団新人最多安打の記録を残したり、と、若手中心の選手起用が終盤に来て一応の結果につながった、ということは、新監督の数少ない功績として取り上げても良いのかもしれない。

ただ、下位チームのCS進出可能性が消えたのは結構前の話で、「4位」になったとは言っても借金は「12」。
モチベーションの低いチーム同士の順位争いの中でほんの少し抜け出したからといって、良いシーズンだったなどとは到底言えないだろう。

優勝の芽が消えた後に、台頭した若手が頑張って(個人レベルでは)そこそこの成績を残し、「来年はいけるかも・・・」と思ったのに翌シーズンの成績はさっぱりだった、というのは、“暗黒時代”にファンとして散々経験させられた苦い思い出だけに、今年の結果にも何となく既視感が漂っているのだけれど、今年コロコロ変わるオーダー表の穴埋めをした選手たちが一人でも二人でもコンスタントに結果を残せるようになれば、微かな希望の灯がともる可能性もあるわけで、そこに何とか願いを込めたいところである。

できることなら、監督にはもう少し忍耐強さを身に付けてほしいと思っているし、それが無理ならさっさともう少し辛抱強い監督を連れてきてくれ・・・というほかないのだけれど。

松坂選手は復活できるのか?

一昨年末に“日本球界復帰”を果たして以来、度々の故障もあってなかなか登板の機会がなかった松坂大輔投手が、ホークスの今季最終戦でようやく10年ぶりの復帰登板を果たした。
当然ファンの声援は凄かっただろうし、敵将・梨田監督も、松井稼頭央選手を代打起用する、という粋な計らいを見せたのだが、結果はデッドボール。

立ち上がりから4連続四死球、という規格外の乱調で、1回5失点・防御率18.00、という屈辱的な成績だけが残った。

メジャーで大きな故障に見舞われ、投げるフォームも放たれるボールも全盛期のものには程遠い。
同学年の和田毅投手が、今季、日本球界で華麗な復活を遂げたことを考えると、年齢を理由にするのはまだまだ早い気もするのだが、「自信が確信に変わった」時代を見てきた者としては、どうにもこうにも寂しいわけで。

現実は漫画ではないから、ここから松坂選手が再び勝ち星を重ねる姿を魅せてくれることを望むのは無謀なことなのかもしれないけれど、せめて、かつて漫画のストーリーを超えた世界にいたヒーローとして、今その立場にいる大谷選手と真っ向勝負するような機会が一度だけでも見られないか、と思わずにはいられない。

*1:http://buzzap.jp/news/20160806-jasrac-novel-picture/など参照。

*2:浅石氏といえば、JASRAC、というより全ての権利者を代表するような形で「フェアユース反対」の論陣を張っていたことでも有名だが、一方で「米国と同レベルの訴訟制度(懲罰的賠償等)が導入されるなら別ですよ」みたいな話もされていたのを耳にしたことがあって、そうなると迂闊に「フェアユース」などとは呟けないな、とその時思ったものである。

*3:http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20160928/1475281956

*4:日本経済新聞2016年10月3日付朝刊・第4面。