デビューから4戦無敗のソウルスターリングが“断トツ本命”の前評判の下、単勝1.4倍という絶対的な人気を背負って臨んだ今年の桜花賞。
父・フランケルは14戦14勝、母も6戦無敗で凱旋門賞に挑んだスタセリタ、と、英仏の名馬を血を引き継いでいる馬だけに、日本人から見たらある種超越した存在に思われるのも不思議ではなかったし、所属厩舎は藤沢和雄厩舎、鞍上はルメール騎手、という非の打ちどころのない組み合わせとくれば、「競馬にも絶対はある」という心境に陥ったとしても、文句を言われるはずがない。
だが、やはり、競馬に「絶対」はなかった。
というか、レースの結果は「無敗でやってくる牝馬は危険」という桜花賞のジンクスを見事なまでに裏打ちするものとなってしまった。
レーヌミノルの騎手が、クイーンカップ、フィリーズレビューで結果を出せなかった浜中騎手から、ここぞの一番で強い池添騎手に替わっていたことにもうちょっと注目できていれば、とか、昨年の阪神JFの順番をもう少し素直に見返していれば、とか、いろいろと考えだすとキリがないのだけれど、やっぱり、ソウルスターリングが僅差の2着ならともかく、半馬身以上離された3着に敗れる姿を誰も想像していなかった、ということは、馬連17000円、という配当に如実に現れている*1。
鞍上がほぼ完璧な位置取り、最後の直線も不利なく抜け出して精一杯追ってもこの結果だった*2、ということを次以降のレースでどう考慮するか、というのは悩ましい問いなのだが、できることなら今回の敗戦を受けて少し人気が落ちたところで、今度こそ「絶対」を信じても良いかな、と思うところである。