「63年ぶりの無敗二冠牝馬」を敵に回さなかった幸運。

ずっと「無観客」が続いている中央競馬も、いよいよ春のGⅠクライマックスで、今週はオークス

「異例」と言われ続けていた今の状況も、多くのファンにはすっかり馴染んだ上に、売上も「健闘している」という域を超え、先週は遂に土曜日だけでなく日曜日の売上まで対前年比プラスに転じる、というところまで来た。

おそらくダービー後も1開催くらいは無観客を継続した上で、首尾よく事態が鎮静化したら夏競馬から観客を入れて、というパターンかな、と想像しているが*1、この数か月間、他の公営競技と合わせて、「これまでどおり」の番組進行に徹しきったことは、どれだけ称賛してもしたりない、と自分は思っている。

で、当のレースの方は、先週、天下無双のアーモンドアイに逆らったことでえらい目にあった教訓を生かし・・・というわけではないのだが、今週は、素直にデアリングタクトに従う、という方針に。

元々、自分には、桜花賞でこの馬の清々しい勝ちっぷりに惚れ、その馬が生まれたのが(元々は社台系列ゆかりの血統ながら)長谷川牧場という日高町の小さな牧場だった、ということにそこはかとないドラマを感じ、これだけの大舞台でちゃんと見たのは初めてじゃないか、というくらいのノルマンディーサラブレッドレーシングの勝負服に心を惹かれ、結局、そのまま入会してアイルハヴアナザー産駒を一口購入した、という経緯がある。

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だから、いつもなら「強き者にただ追従するのは競馬じゃない」といきがっている自分も、今週ばかりは、ノリにのっていたレーン騎手騎乗のデビュー3戦目の新星(2番人気になったデゼル)には見向きもせず、この馬を本命指名。

過去の傾向から、それ以外で馬券に絡むのは桜花賞3着以内の馬か、フローラSの勝ち馬だな、と絞り込んだうえで、スマイルカナ(桜花賞3着)に前走のようなレースは無理だろう*2、と消去した結果、フローラS勝ちのウインマリリンが残り、最後にもう一頭絡ませるならさすがにノーザンor社台かな、ということで、妥協的にルメール騎手騎乗のサンクテュエールを選んでいたものの、気分的にも馬券的にも、デアリングタクトが勝てばまぁいいや、というのが、発走前の状況だった。

だが、穴党が本命に賭ける時、というのは、大抵ろくなことがない。

今日のデアリングタクトも、スタートを切るや否や後方に下がり、決してそんなに早いペースではない割に、道中の位置取りも後ろから。

最後の直線に入ったところで鋭く伸びるかと思えば、他の馬に進路を塞がれてもたついていた時間が長く、一歩先んじて抜け出したウインマイティ―*3の背中が離れていく。

残り200m標識の手前あたりでようやく障害を跳ねのけて追い始めたが、それでも無理かな・・・と思いながら眺めていた。

もし、そのままレースが終わっていたら、ウイン勢のワン・ツーで馬連28万馬券、というインパクトに加え、騎乗停止になった息子(横山武史騎手)に代わって父親(横山典弘騎手)がもぎ取った勝利、だとか、新冠のコスモヴューファームの初GⅠ勝利(しかもワンツーでクラシック制覇)といった別のドラマが生まれたことだろう。

でも、そこで主役の座を譲らないのが、真の強者。

全馬中最速の33秒1を記録したデアリングタクトの鬼脚は、府中の長い直線にもピタリとはまり、ゴール前では文句なしの半馬身、お釣りを付けて交わし切っていた。

結果、デビューから4連勝。一度も土がつかないまま牝馬2冠を達成したのは63年ぶり、という記録まで付いてくる見事な勝利を飾ってくれたのである*4

松山騎手は、今の移動制限ルールの下、この馬のためにアウェーの東京で2日間騎乗を余儀なくされ、日曜日のメインまで1勝も挙げられていなかったのだが*5、そんなモヤモヤもこの1勝で全て吹き飛んだことだろう。

それくらい「この馬とコンビを組み続けて良かったね」と言いたくなる勝利だったから。

そして、自分もまた、「強き者に逆らわないことで実を得る」という競馬の鉄則の理を、春GⅠシーズンの最終盤になって改めて噛みしめることができたのは、まぁ良かったと言えばよかった。

先週からのこの流れが来週までそのまま続くのかどうかは容易に予測できるところではないのだけれど、こんな時くらいは勝利の美酒を。そんな気分である。

*1:とはいえ、北海道、小倉、新潟、福島、といったエリアに大都市圏から人が押し寄せることが許されるのかどうか、神のみぞ知る、といったところである。

*2:前走は逃げて3着に粘ったが、東京の芝2400mでは・・・という推理は見事に的中し、今回は残念な結果に終わった。

*3:正直、この13番人気の馬は完全にノーマークだったので、最初はウインマリリンかと誤解。そのうち最内にマリリンがいることに気づき「分身か?」と一瞬唖然とした嘘のような本当の話。

*4:個人的にはマックスビューティあたりが無敗の2冠馬じゃなかったかな、と勝手に思っていたのだが、改めて見返すと彼女も3歳(現2歳)時には2度も負けていて、快進撃が始まったのは明け4歳(現3歳)からであった。

*5:来週も同じ現象が起きそうだが、有力騎手がこぞって東京に集まった結果、川田騎手や松山騎手は苦戦し、逆に残った池添騎手が5勝を京都で荒稼ぎする結果となっている。

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