突き抜けた壁の向こう側にあるもの。

新春早々の大発会日経平均は右肩上がりで上昇を続け、昨年どうしても破れなかった「終値23,000円台」の壁をいとも簡単に突破してしまった。
年初来高値を一気に120円以上更新し、1992年以来の高値に・・・。

今年は、まだ仕事初めを迎えていない会社も多く、今日などは家でのんびりと“平日”を過ごした人も多かっただろうから、午後になってそういった人々が、相場の動きを見て「ここで小金稼ぎ」とばかりに飛びついた影響も多少はあるのだろうけど、それにしても凄い勢いである。

自分が成人になってからの日経平均と言えば、当然の如く10000円台で低迷していて、酷い時には「4ケタ」まで落ち込んだ時期もあった。
だから、この指数が「20000円台」を記録していること自体に違和感があるし、ましてや、まだバブルの香りが濃く漂っていた1992年の水準、と言われても、どうにもピンとこない*1

ただ、一つだけ言えることは、今、この時代に生きている自分たちが、歴史の教科書の中に閉じ込められたと思っていた「バブル」というおぞましい事象を、まさにこれから体験する時期に差し掛かっている、ということ、そして、いつかは弾ける、と分かっていても、チキンレースに飲み込まれた結果、結果的に痛手を被る会社も人も、そう遠くない“宴の後”には出てくる、ということである。

投資もビジネスも、「最後に勝てるのは、先を読んで逆張りの策を仕掛けた者だけ」というのが、これまでの歴史によって証明されている定理だと思っているし、それゆえに、一見、様々な指標が右肩上がりになっているように見える時こそ、「有識者の前向きなコメント、強気のコメントは、徹底的に疑ってかかれ」というのが、自分が拠って立つ思想にもなっている。

だから、年初から皆が皆、楽観的な見通しを述べている現在のような状況は、まさにハイリスク極まりない、と自分は思うのだけれど・・・*2


何を信じるかはその人次第。投資でもビジネスでも、「何が起きても恨みっこなし」を貫ける人にしか勝つチャンスは巡ってこないので、全ては自己責任で!と声高に叫びつつ、明日、再び某経済誌の速報メールが頻繁に飛んでくるのかどうか、高見の見物で見守ることにしたい。

*1:ちなみに、あと300円上げれば、92年の最高値も更新するから更に1年歴史の扉が開かれることになる。今の勢いなら明日の昼くらいには突破してしまっても不思議ではない・・・。

*2:既に多くの会社の株価は、昨年の時点で「割高」アラートが発令されるレベルにまで高騰してしまっているのに、ここで個人が買いに走って将来的に元が取れるのか、という素朴な疑問はぬぐえない。

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