掘り返されていく「歴史」の中の記憶。

昨日のエントリーでも触れた通り、今、世の中、そんなに良い状況とは到底言えない。

連休中、どこの地域でも病院が閉まっていた、ということで今日出てきた数字はおとなしめだったが、それでも1,200人超。これまでの「休み明け」では絶対出てこなかった数字なわけで、この祝日の間に、電話での「発熱等相談」が100件を超えてしまっている東京都で、明日どういう数字が出てくるか、想像しただけで恐ろしい。

大阪市と札幌市だけ」という極めて消極的な手の打ち方で、当座を乗り切ろうとしている現政権が、近い将来「戦後最大の悲劇を招いた・・・」という形容詞で語られるようにならないことを今は願うばかりである。

だが、そんな状況にもかかわらず、日本株に群がる投資家たちは空前の上げ潮相場を演出中、ということで、本日も日経平均は一時700円を超える上昇っぷり

最高値は26,261.78円終値でも 26,165.59円、と、新年の楽天的な占い師たち*1も驚くほどの展開になっている。

・・・で、そんな中、自分が最近注目しているのは、今年の高値を更新するたびに記事に登場する、「1991年〇月以来」というフレーズ。

今月に入って「バブル後最高値」とされていた2018年10月2日の高値2万4448円を突破して以降は、「29年ぶり」の記録更新のオンパレード。

同年11月の高値25,044.24円、10月の高値25,222.28円も難なく突破し、同年6月の25,912.61円をも突き抜けた26,000円台に軽く載せた後、今日再び突き抜けたのは26,200円台の壁。

高値ベースでは1991年5月14日(26,283.46円)以来終値ベースではその前の週の1991年5月10日(26,274.29円)以来、という歴史の扉をこじ開けたのである。


かつてこの国が「バブル」を謳歌し、株と土地を持っていれば生涯安泰、という熱に浮かされていた頃、自分はちょうど多感な時期だった。

今でもよく覚えているのは、「ピーク」とされる89年末から90年に入って、一度バケツの底が抜けたように相場がダダ下がりになり、駅売りの夕刊紙の見出しに連日おどろおどろしい見出しが躍っていたこと。

自分は、世の中と同じ空気に踊らされていた醜い大人たちを間近なところで見ていたことの反動で、そんな動きを小気味よく思っていたところもあり、「まだまだ落ちる、落ちる、落ちるに違いない!」と唱え続けていたのだが、91年になって一転、相場は息を吹き返し「やっぱり株は強い」というムードになりかけた。

そして、自分も確か、相場の上げ下げをめぐって何かを賭けて負け、踏んだり蹴ったり、という心境で当たり散らしていたような気がする*2

現実には光が差したのは一瞬のことで、その後、日経平均の数字は下り坂を転がり続け、当時自分が予想していたレベルよりもはるかに下の方に堕ちていったから、やぶれかぶれではあっても大局を読む力はあった、といいたいところだが、その後、大人になって20年近く投資を続けていて、日経平均7,000円台の頃に仕込んだ銘柄も結構あるにもかかわらず、今の空前の活況期ですらそういった銘柄たちがことごとく含み損を抱えているから、やっぱりセンスがないんだろうな・・・というのが結論。

ただ、自分自身が儲かるかどうかは別として、どうせここまで来たなら、もっともっと歴史の扉をこじ開けてくれ・・・という思いはあるわけで、91年3月の最高値27,146.91円、それを突き破れば90年8月・・・(ここまで来ると30年ぶり!)と、時代を遡りながら、あの頃想像していたよりははるかにマシな人生を歩めている自分を褒める、という自己満足企画を堪能しつつ今年を終えることができるなら、そんな素敵な一年はない。


ということで、こんな駄話がてら心に浮かんだのは、10年以上も前の↓だったりするのだけど、冷静に振り返ると、この映画が劇場で上映されていた頃の「現代」もまた、今となってはタイムマシンに乗って見に行きたいくらいの「一昔前」だったりもするのだよね・・・と、時の流れの残酷さをしみじみと感じた次第である。

k-houmu-sensi2005.hatenablog.com

*1:今年も懲りずに「占い」を。 - 企業法務戦士の雑感 ~Season2~のエントリー参照。

*2:嫌なことばかり続いていた人生で一番谷底に近い時期で、世の中の出来事はそこそこ覚えていても、自分の身の回りで起きていたことはほとんど記憶の中から消してしまっているので、この辺の話もうろ覚えでしかないのだけど・・・。

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