数日前のエントリーでも書いたように、始まるまでは何となく引き気味で見ていたロシアW杯だが、始まってみたらまぁ面白いのなんの。
この4年間の間だけでも世界中でフットボールは進化している、それは頭の中では分かっていたことだけど、実際、各グループの試合が始まってみると、どの国の代表も高いレベルのテクニックと、定石にオリジナリティを加味した独自の戦術できちんと見せ場を作ってくる。
ワンサイドゲームだった開幕戦を除けば、2日目以降は、どの試合をとってもスコア、内容ともに拮抗したものばかり。
強豪国であるウルグアイ、フランスは順調に勝ち点3を取ったが、相手のエジプト、オーストラリアにはかなり手を焼いての結果だし、アルゼンチンに至ってはアイスランドの鉄壁の守備に最後まで苦しめられて(挙句の果てにメッシのPKまで止められ)痛いドロー。
ポルトガルやスペイン、といった欧州の強豪たちが華やかなテクニックを見せてくれたのは当然想定の範囲内だったが、不運にも初戦は星を落としたエジプト、モロッコ、ペルーといったチームまで、鮮やかな個人技と組織戦術を備えていた、というのは、自分にとっては新しい発見で、次の試合以降に大きな期待を持たせてくれた。
そして、日曜の夜、この時間まで眠れていない最大の原因は、ここ数大会、グループリーグでは微動だにしなかった常勝軍団ドイツが試合巧者メキシコの前にジャイアント・キリングを食らった瞬間を目撃してしまったから・・・。
若きストライカー、ロサーノ選手が前半に貴重な1点をもぎ取った後は、早めの選手交代であっという間に自陣に「緑の壁」を築き上げ、ゴールポストの助けも借りつつ、次々と襲いかかるドイツ攻撃陣のシュートの嵐を見事に止めて見せた。
クラブチームの試合だったらブーイングを浴びるような極端な守備的戦術でも、1つの勝ち点に命を賭ける戦いの中では許容され、むしろ称賛の対象になってしまうわけで、こういう戦いを見られることにこそ、W杯の醍醐味がある。
ということで、4年に一度の寝不足な日々*1がまためぐってくることに嬉しい悲鳴を挙げつつ、日本代表以外の試合を楽しもうか・・・というのが、今の素直な感情である。
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なお、ここに来てようやくNumber誌の大会プレビュー号を読むことができたのだけど、個人的には、選手のコメント、選手に向けられたコメントよりも、「監督」の立場からの、そして「監督」を評するあれやこれやのコメントに惹き付けられるところが多かった*2。
自分もそんな歳、そして、そんな立場になった、ということなのだろう。きっと。