これぞ終わりの始まり、だが、その中で見せたレジェンドの意地。

以前、このブログで2年続けてAKBの総選挙に触れたことがあるのだが、気が付くともう5年前。
既にその頃から、“マンネリ化”を指摘されていたイベントではあったのだが、それでもキャラの強い面々が際立つ個性を発揮していたり*1、その翌年にダークホース・指原莉乃下剋上があったりして*2、突っ込みながらも楽しめるだけの要素はあった。

だが、そこから4度繰り返す間に、初期メンバーは次々と「48」の舞台から去り、今年は去年まで3連覇していた指原まで抜けてしまって、自分なんかが見てももうステージに立っているのが誰なんだか分からない、そんなイベントになってしまった。

この手の大規模イベントが「10回」も続いている、というのは驚異的なことだし、未だにネット上では速報が飛び交うくらい注目されているイベントであることも間違いないのだけど、上位に入ったメンバーのスピーチを聞いていても、かつてのように余裕をかましたり、ちょっとした皮肉を入れたり、という個性を発揮できる人はほとんどおらず、「一生懸命頑張りました」の大合唱。

熱心に応援しているファンにとってはそれで良いのかもしれないけど、そればかりだともはやテレビ中継するような代物ではなくなってくる。

そして、どんなに昨年からの順位で「躍進」したとしても、「AKB48」という存在が、今やかつてのような熱と国民的盛り上がりムードに包まれたものではなくなっている以上、“遅れてきた者たちの悲劇”感はどうしても拭い去れなかった*3

そんな中、圧倒的な得票で地元・名古屋での凱旋興行を飾り「5代目女王」の座に輝いた松井珠理奈だけは、やはり別格。

そもそも、彼女は「総選挙」が始まる前から前田敦子と並んでWセンターを張っていた元・スーパー小学生。
総選挙も2回目で既にトップ10に入っているから、そこから頂点に立つまで8年もの歳月を要することになってしまった、というのはむしろ遅きに失したとも言えるのだけど、前座の公演でのハプニングを微塵も感じさせないあの余裕綽々のスピーチを聞けて、ようやく救われた気がした視聴者も多かっただろうから、そういう意味では頂点に立つのが今年で良かった、ということなのかもしれない。

かつて、多くの人気アイドルグループが辿ったように、過ぎた時間は決して戻ってこないし、栄光よもう一度、と願っても叶わないものは叶わない。

ただ、栄光の時代を知る「5代目」が、ほんのちょっとだけ短い花の“寿命”を延ばしてくれるんじゃないか・・・
そんな気分にさせてくれただけでも、まぁよかったな、と。

大声ダイヤモンド【劇場盤】

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*1:http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20120606/1340043454

*2:http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20130608/1376679622

*3:末期のPRIDEのリングで「新星」と紹介されていた選手のような切なさ・・・とでもいうべきか。

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