春、Spring...

昔懐かしHysteric Blueのイントロが流れてきそうなタイトルにしてしまったが、とりあえず馬の話。

競馬界のカレンダーは3月から始まる。
2月の最終週で、70歳を迎えた名調教師たちが次々と引退レースを迎え、そこから1週間経たぬうち、土曜日から新人ジョッキー、新人調教師が次々とデビュー。
今年は、記念すべき初日の第1レース(中山)で北村宏司騎手の衝撃的な落馬事故があったり(ついでに最終レースでもルメール騎手にトラブルがあって翌日全鞍乗り替わりになってしまったり)、日曜日に降り続いた雨のおかげで、中山も小倉も「重/不良」馬場の中レースが荒れまくったり、と、なかなか印象に残る「開幕」週となったが、そんな中、小倉で2勝を挙げた斎藤新騎手を筆頭に、デビューした騎手たちが、本格的な世代交代の先触れになりそうな生きの良さを随所に発揮してくれたのはよかったな、と思っている。

・・・で、レースに目を向けると、土曜日はチューリップ賞、日曜日は弥生賞、と、今週はおなじみのクラシック「予選会」が始まる週でもあった。

昨年のエントリー*1で見事に予言してしまったとおり、この両レース、クラシックの一冠目と全く同条件、という絶好の舞台の割に、ここでの結果が本番の結果になかなか結び付かない。

特に弥生賞のほうは、一冠目に結びつかないのはもちろん、過去8年間、2016年のマカヒキ以外はクラシック「無冠」に終わっている、という不思議なレース。
だから、去年のダノンプレミアムのように、有力馬がここであっさり勝ってしまうとむしろ不吉な予感が漂うし*2、人気薄の馬が飛び込んできても、「これが一世一代のレースだったのだなぁ」ということになる。

今年のメンバーでいうと、個人的に息長く活躍してほしいと思っているニシノデイジーやラストドラフトを応援したいけど、ここで勝たれてしまうとクラシックの楽しみがなくなる、かといって、人気薄組の中にも、食指を伸ばしたくなるような「一世一代」の気配を感じる馬はあまりいない・・・という悩ましさ。

ふたを開けてみれば、いかにも重そうな馬場の中、荒れる大レースにはめっぽう強い池添謙一騎手がメイショウベルーガの子、メイショウテンゲンを巧みに操って優勝し、見事に「一世一代グランプリ」に輝く一方で、血統、実績ともに一枚抜けていたはずの1~3番人気馬がすべて馬券圏外に飛ぶ、という衝撃的な結果に終わったわけだが、これで今回上位に来た馬がすべて「一戦限り」となり、敗れた馬が次で必ず巻き返す、ということにはならないのが、競馬の難しいところであり、面白いところでもあるわけで。

個人的には、2戦目だったにもかかわらず、最速上がりを出して2着に食い込んだシュヴァルツリーゼにはまだまだ伸びしろがありそうに思えたし、いかにも重馬場に強そうで、実際もたつきながらも最後はきっちり3着に入ったヴィクトワールピサ産駒のブレイキングドーンも、本番でちょっとした〝惑星”になるんじゃないか、と思っているのだが、果たしてどうなるか。

見え見えの「一叩き」で、断トツ1番人気に推したファンを冷や冷やさせながらも、チューリップ賞でしぶとく粘り切ったダノンファンタジーが三冠タイトルをどこまで取り尽くすか、というテーマと合わせて今年も面白くなってきた・・・

幕開けとしては上々である。

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