曇りなき一冠目とその先の分かれ道。

土曜日の夜から激しく降り続けた雨も、、朝の時点ですっきりと上がり、晴れた空の下迎えた第81回皐月賞

馬場は稍重。人気が拮抗していた上位2頭のうち、稍重馬場の経験があったのはダノンザキッドの方で、ここまで3戦無敗のエフフォーリアは、共同通信杯から直行というローテ*1や中山コースとの相性に加え、渋った馬場との相性にも半信半疑の目が向けられ、派手に飛ぶとしたらこちらの方だろう、というのが戦前の自分の見立てだった。

だが、昨年の全6冠、さらに今年の牝馬一冠目まで続いている「無敗馬確勝の法則」は、このレースにも見事に受け継がれたのである。

先週までは絶好調だった川田騎手を鞍上に擁し、最後の直線でもいつものように勝利への一本道を切り拓いたかに見えたライバルが、無残なまでの後退劇を演じたのを横目に、好位追走から抜け出して、一完歩ごとに勝利を確実なものにしたのがエフフォーリア

弥生賞馬・タイトルホルダーも意地を見せて食い下がったものの、その差は開く一方で、終わってみれば3馬身差の快勝。

昨年、同じ稍重馬場でコントレイルが記録したタイム(2分00秒7)をコンマ1秒上回るタイムでゴール板を駆け抜け、4連勝で「一冠」目をつかみ取ることになった。

前年のコントレイル、一昨年のサートゥルナーリアに続く3年続けての4戦4勝馬の優勝、というのは、単なる偶然というよりもはや「法則」化したといっても良いような現象だし、エピファネイア産駒が種牡馬デビューから2世代続けてクラシック馬を送り出したというのも、なかなかすごい話。

さらに、鞍上は若干22歳の横山武史騎手。武親子、福永親子に次ぐ史上3組目の親子制覇、という話題性もさることながら、前走皐月賞前に自分が乗っていたもう一頭が2着に飛び込んでくる中、その馬を唯一上回ったのが自分の馬、というめぐり合わせの良さにも驚かされる。

傑出した馬がいなかった(正確に言うといないように見えた)分、馬券の売上も好調で、昨年はもちろん一昨年の数値まで上回ってしまう、というおまけすらあった*2

ということで、勝ちっぷりの良さと合わさって、実に幸福感あふれる一冠目の結果となったわけだが・・・


ここから先はどうあがいても、1年前の王者と比較されざるを得ない、というのが、「三冠」の翌年にクラシックシーズンを迎えた馬の悲しき性、というべきだろうか。

勝負服まで同じだけに、個人的にはどうしても不完全燃焼感があったサートゥルナーリアとの近似性を見出そうとしてしまうのだが、それだと、この先がいろいろと大変なことになるから、やはり、純粋に応援する立場としては、このまま勝ち続けて

ミスターシービーの翌年のシンボリルドルフ

になってくれればな、と思わずにはいられない。

エフフォーリアのこれまでの東京コースでの実績(2戦2勝)、そして、父がエピファネイアである、ということまで考慮すると、まだまだ楽しみは膨らむわけだが、まずはここからの1か月ちょっとをしっかりと見守っていければ、と思っているところである。

*1:元々はクラシック定石のステップレースだったはずなのだが、最近は2歳GⅠからの直行組とトライアルレース組に挟まれて、本番で全く人気にならない馬も多いし、自分は本命だと思っていた4年前のスワーヴリチャ―ドが圏外に消えたのを目前で見て以降、どうにもこのレースの勝ち馬は信頼できずにいる。

*2:トータルでも日曜日だけで43億円超の売上。ここからは”巣籠もり需要”で伸びた昨年の数字との戦いになってくるが、今の新型コロナ再流行のモードも考慮すると、まだまだしばらくは景気の良い状況が続くような気がしている。

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