世の中の雲行きがどんなに怪しくても、馬は走る。

今週は新型肺炎の話題で始まり、「思ったほどひどいものでもなさそうだ」とちょっと落ち着いてきた頃になって、WHOやら米国やらが一気にヒートアップしたことで、再び日本国内にも騒動が”逆流”して、結局、一日たりともこのニュースが流れない日はない、という状況になってしまった。

そりゃあ、あの大国・中国が発生源なら、感染者数が膨大なレベルになることは分かり切ったことではあるのだが、現時点での「致死率」だけ見たら、普通のインフルエンザだって同じくらい心配しないと釣り合いが取れないんじゃないか、と思えるようなレベルなわけで、何となくこの国にありがちな”外からの同調圧力”に引っ張られている感は否めない。

もちろん、週明けからマーケットは敏感に反応するだろうし*1実体経済も航空、旅行、鉄道、ホテル、飲食といった分かりやすい業界から、土産物需要で潤っていた百貨店、ドラッグストア、化粧品、宝飾品、菓子メーカーに至るまで、この四半期で甚大なダメージを受けることは避けられないだろう*2

とはいえ、たとえ過敏なまでの「肺炎警報」が飛び交ったとしても、怪しい気候に胸騒ぎを覚えたとしても、日常生活に支障が出ない限りは泰然と日々を過ごすのが吉だ、というのがこの一週間で学んだ教訓だけに、今週もどっしり構えるしかないな、と思っているところである。

ちなみに、よほどのことがない限りは淡々と開催される中央競馬は、今週も無事に3場×2日×12レースを消化。

年が明けてから目立っていた外国人騎手の序列変動は今週も顕著で、マーフィー騎手が土日で7勝の固め打ち。

迎え撃つルメール騎手も、根岸Sでの熾烈な一騎打ちをモズアスコットで制して(マーフィー騎手のコパノキッキングが2着)、何とか面目は保ったものの、リーディング争いでは「27勝」対「17勝」。勝率、連対率でも差を付けられるという屈辱を味わうことになってしまったし、捲土重来を期していたはずのミルコ・デムーロ騎手は、さらにそれを下回る「7勝」と、どうにもこうにもさっぱり、の状況である。

来週からマーフィー騎手がいなくなる分、ノーザン系の有力馬が再びルメール騎手の手元に戻ってきて予定調和的な展開になるのかもしれないが、2週連続重賞制覇の川田騎手(23勝)、今週も1番人気以外の馬で渋く勝ち続けた武豊騎手(19勝)という関西の2枚看板が年明けから絶好調だけに、今年は一筋縄ではいかないように思えてならない。

また、小倉で藤田菜七子騎手が3勝を挙げ、現時点でM・デムーロ騎手に迫るリーディング14位(6勝)に付けている、という事実も強調しなければなるまい。

おそらく、今、川﨑で騎乗するミシェル騎手が旋風を巻き起こせば巻き起こすほど、(地方での)「直接対決」の期待は高まるだろうし、「場外戦」がヒートアップする可能性もあるかもしれないが、そんなところで寄り道をしなくても、藤田騎手は現時点で関東のリーディング2位。

既にGⅠにも胸を張って騎乗できる立場になってきたし、夏のWASJも今年は特別枠ではなく実力で出場できるポジションにいるだけに、今は自分のホームで地道に勝ち星を積み重ねることに専念してほしいなぁ、と思わずにはいられない。

そして、新旧入り乱れたリーディング争いを楽しめるのも、若き女性騎手が一つずつ白星を積み重ねる姿をめでることができるのも、彼・彼女たちが騎乗できるレースがあってこその話なのだから、今は、次の週末も、その次の週末も、「よほど」が起きないことを、心の底から願うのである。

*1:今朝の朝刊では日経平均22,000円台が底、という観測も出ていたが、いやいやそんなに甘くないんじゃないの?というのが率直な感想である。一投資家としても、この場面では「底抜け」を覚悟している。

*2:今は、五輪特需を見越して設備投資をしていた中小規模のホテルや飲食店が、五輪を待たずして資金繰りに窮して飛ぶ、といった事態にならないことを、ただただ祈るしかない。

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