それでも明日に向かって馬は走る。

金曜日に飛び込んできた悲しいニュース。

栗東村山明調教師の厩舎で起きた火災事故で、同厩舎所属のサラブレッド4頭が死亡、さらに翌日気管熱傷のため1頭が亡くなり、計5頭の尊い命が失われることになってしまった。

村山師は、騎手引退後まもなくして調教師になられた方で、まだ開業13年目のトレーナーだが、テスタマッタコパノリッキーダノンレジェンドといったダート界の大物馬を多数送り出しているし、今もコパノキッキングやサクラアリュールといったオープン級のダート馬を抱えている。

今回の事故で、これらのオープン馬たちが難を免れたのは不幸中の幸いだったが、一方で、デビュー前の馬も含めて3頭も2歳馬が亡くなっているわけで、調教師ご本人はもちろんのこと、「1勝」を心待ちにしていた馬主、厩舎スタッフ、牧場関係者等々、そういった方々の思いを考えると、何とも言えない気分になってしまったのは言うまでもない。


そんな状況で迎えた週末だったから、せめて自分の予想だけでも当たれば・・・というところではあったのだが、今週に関しては、これまた難解なレース続き。

小回りコースで前に行けない馬は大方出番がない一方で、前に行った馬が大崩れすることも多い小倉が今週の開催から加わった、というのが予想が難しくなった理由の一つ。

さらに、開催を重ねることで新潟の馬場状況が変わり、さらにこれまでは比較的当てやすかった札幌も天候の悪化で馬場が渋ったことで傾向が微妙に変わり・・・ということで、如何ともしがたいところはあった。

日曜日のメインに至っては、小倉記念が、10番人気‐6番人気‐13番人気、3連単137万円、という波乱決着。

勝ったのが、ここ2走くらい準OPの壁に苦しみ、鞍上(長岡騎手)も重賞未勝利だった地味な5歳牡馬・アールスターで、2着のサトノガーネットも今年に入ってからいいところがほとんどなかった馬だったから、これを追いかけて抑えに行くことは容易ではなかった。

また関屋記念は、いつも通りそれなりに速いペースで逃げたトロワゼトワルを、ほぼ最後方にいたサトノアーサーが一気に捉えて差し切る、という、なかなか事前の展開予想の帰結としては辿り着きにくい組み合わせだったために、中庸中穴を旨とする自分が手を出すのは難しかった。

ということで、なかなか厳しい週末ではあったのだけれど、それでもまだまだ競馬は続く。

そして、人間のくよくよと引きずる後ろ向きな感情にいちいち配慮してくれないのが、毎週めぐってくる開催日の各レースと、それに出走する馬たち・・・。

難を免れた村山厩舎の馬たちも、今週の土曜日に3頭出走していたし、来週以降も力のある馬たちが次々とターフに、そして得意の砂の上に戻って、またどこかで気持ちの良い走りを見せてくれるはずだから、こちら人間も、まず気持ちを切り替えて慌ただしく平日を過ごし、次の週末を迎える頃にはいろんなモヤモヤをスッキリと忘れているくらいになればちょうどいいかな、と思っているところである。

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