波乱の秋が幕を開け。

様々な地殻変動が起きる中、今年も冬、春、夏と乗り切ってきた中央競馬

秋になればさすがに・・・とばかりに、中央開催に戻った最初の週、3つの重賞全てを1番人気馬が勝った*1のを見た時は、「今年もいつもの秋競馬か」と思いかけたのだが、JRAアニバーサリーの三連休開催を挟んで3週目、いわゆるGⅠトライアルの最初のヤマに来たところで、再び今年ならではの波乱。

そもそも、この季節にしてはやたら雨に祟られている今年の9月、土曜日の中山、緩んだダートの不良馬場で、「時計が故障したか?」と見まがうようなタイム(ダート1800㎡でキヨヒダカの不滅のレコードタイムに0秒7差まで迫る1分49秒2)が出た時点で、何かが歪み始めていた。

勢いがピタリと止まってしまった今村聖奈騎手が今週も足踏みする中、土曜日に連勝を決めたのは同じく新人の角田大河騎手。
さらに日曜日は中山で、今季絶好調の19年目、丹内祐次騎手が1レース目から3連勝を飾る*2

そして極めつけは日曜日の東西のメイン重賞

上がり馬が大駆けすることも多いセントライト記念とは異なり、近年はダービーに出走したような実績馬が順当に上位を占めていた神戸新聞杯で、勝ち馬こそダービー9着のジャスティンパレスだったものの、2着、3着に前走2勝クラスの馬たち(ヤマニンゼスト、ボルドグフーシュ)が飛び込んできた、というのはかなりの衝撃だったし、古馬の方も、伝統のオールカマーで、重賞実績のあるデアリングタクト、ソーヴァリアント、ヴェルトライゼンデといった上位人気馬が全て吹っ飛び、代わってヴェルトライゼンデと同じサンデーレーシングの勝負服ながらそれまで重賞で今ひとつ勝ち切れていなかったジェラルディーナがあっさり勝利する、という波乱。続いて飛び込んだのがいずれも非社台・ノーザン系のロバートソンキー、ウインキートスだから、これまた”下克上的波乱”の様相を呈している。

もちろん、この先「毎週GⅠ」の時期にまで進んでいけば、「やっぱり収まるべきところに収まったか」という感想に結局戻ってしまう可能性はあるのだが、個人的にはまだまだ今年いっぱい一波乱も二波乱も起きそうだな、ということを半ば期待しながら見ているところもあって、なかなか悩ましい。

来週の中山コースでの秋のGⅠ第一弾で何が起きるか、さらにその翌週からの東京/阪神開催で何が起きるか・・・。

面白がってばかりだと怒られてしまいそうだけど、いつになく新しい風が吹き込んでいる状況だけに、それがもたらす変化を楽しみながら、当面ゆっくり眺めていければな、と思っているところである。

*1:しかも内2勝はお約束のノーザンファームでもう1勝は社台ファーム

*2:この週末4勝で星が並んでいた武豊騎手を突き放し、これで堂々のリーディングベスト10入りである。

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