今月に入って、日々アプリで試合結果を眺めるたびに「負けてないなぁ」ということには薄らぼんやり気付いていた。
地上波のテレビのニュースは見なくなって久しいし、周囲に同類がいるわけでもないから、”ムード”がどんなものかは全く察しがつかなかったが、ネットで勝利の速報を眺め、翌朝、活字でもう一度その事実を確認し、ということを繰り返しているうちにあれよあれよと「マジック」の数字は小さくなり、朝刊で残された数字が「1」ということを知ったその日に、あっけなくセ・リーグは幕切れの日を迎えた。
かつてほどの熱はない。だが、「優勝」の二文字には、格別の感慨がある。
そして、速報で踊った「18年」という数字には、より感慨深いものがあったのは言うまでもない。
「2005年」はこのブログを始めた年。
書き始めて間もなかった頃のエントリーにも確かにその痕跡はある。
k-houmu-sensi2005.hatenablog.com
あの頃のタイガースは強かった。
故・星野仙一監督が長年低迷していたチームを夢にまで見た「リーグ優勝」にまで引っ張り上げて以来、完全に「強豪」に変貌を遂げたチームにとっては、当時の「2年ぶりの優勝」もちょっとしたエピソードに過ぎなかったし、あのシーズンのリーグでの圧倒的な戦いぶりを見れば、若き戦略家・岡田彰布監督が率いるチームにはその先何度となく栄光に浴することができるだろう、と多くのファンが信じていたはずだ。
だが、リーグ優勝の後、マリーンズ相手の日本シリーズでの大惨敗が躓きの始まり。
同じリーグで競い合う相手が、黄金時代の巨人と、落合博満監督率いる中日、というのも良いめぐり合わせではなかった。
さらに、それでもようやく・・・と思わせた2008年シーズンにまさかのV逸の憂き目にあい、岡田監督が退任してから長きにわたる迷走が続く。
決して弱くはない、が、勝ちきれない。今年は・・・と思わせても勝負どころでは失速するシーズンを繰り返し、その間、復活したカープやスワローズの引き立て役に回ったことも度々あった。
2014年にはポストシーズンに強かった和田豊監督の下で、棚ボタのような日本シリーズ出場を果たすこともできたが、応援する側の心の準備が整わないまま、2戦目からの4連敗であっけなくシーズン終了。
そこからさらに10年近い月日が流れて・・・の「アレ」。
今日の時点では、永遠の歳月のように感じていた1985年~2003年と同じだけの時間が前回のリーグ優勝から流れてしまっていたということを何度聞いても消化しきれずにいるのだが、それだけの時間を経てもチームが変わらずに存続してくれていることと、何よりも自分が普通の人生を送りながらその日に立ち会うことができた、ということに今は感謝するしかない。
18年前にはなかった「クライマックス・シリーズ」の存在ゆえ、タイガースが38年ぶりの「日本一」に挑むチャンスがあるのかどうかさえ、今はまだ分からないのだけれど、15年前の宿題に「一発回答」を示した岡田監督のこと、弱い弱いと言われ続けたポストシーズン*1でも、熟成された「対策」がきっと出てくると信じて、もう少しだけその日を待ちたいと思っている。