毎年のように言われているが、プロ野球のペナントレース、優勝が決まった後の最終盤の日程はどうにもこうにもダレる。
そして、始まるまで散々引っ張る割に、クライマックスシリーズのファーストステージの決着は、いつも実にあっけない。
シーズン序盤の不振が嘘のように復活した打撃陣が打ちまくり、あわや、の展開まで期待させた9月の快進撃も、甲子園の首位決戦で読売に痛い星を落としてあえなく終焉。さらに、CSが始まる直前になって、岡田彰布監督の退任確定報道が出てきたのを見た時、嫌な予感がしたのは確かだ。
相手になると思っていたカープは、シーズン終盤の大失速でBクラスに沈み、3位に浮上したのはまさかのベイスターズ。
これまで何度もファーストステージで煮え湯を飲まされた相手だけに、ますます嫌な予感はしたが、最後は監督の”腕の差”で、順当にファイナルステージに進める、と思っていた*1。
だが、現実はそんなに甘くない。
今年のエース・才木投手がシーズン終盤の不安定さを引きずったピッチングで失点を重ねる一方で、打線の方は横浜の気迫の投手リレーを前に沈黙。
何とか流れを変えたかった第2戦では、唯一気を吐いていた森下選手のホームランで幸先よく先制したものの、先発した髙橋遥人投手が早々に大量失点、という誤算。さらにスクランブル登板した去年のエース・村上頌樹投手が2イニング目に火だるまとなり、ブルペン陣も鎮火できないまま魔の7回に6失点・・・となったところでゲームは決まってしまった。
改めて確認したら、愛すべきこの阪神球団が、2位クライマックスシリーズに進出しながらファーストステージで敗れたのは昨年までの間に実に5回。同じ目にあった他の球団の回数を全部合わせてもタイガース1チーム分には及ばない、という惨状である。
もちろん、最近ではタイガース自身が3位から下克上してファイナルステージまで進んだケースもあったし、2位から勝ち抜いて日本シリーズにまで出てしまった2014年のような事例もある。
だが、そんな断片的なエピソードを忘却の彼方に追いやってしまうほど「ファーストステージの弱さ」が際立つタイガースは、今年の”岡田効果”をもってしても再び残念事例を積み重ねることになってしまった。
「相手に2つ勝たせなければよい」(「2引き分け」でも次のステージに進める)という一種のハンデが2位チームには与えられているとはいえ、「2つ負けたら終わり」であることに変わりはないわけで、エンジンのかかりが遅いチームにとってはどこまで行っても鬼門、というのが、すべて終わってしまった後の率直な感想。それゆえ、この悲劇を繰り返さないためには、「ペナントレースを1位で駆け抜ける」ことにすべてを賭けてほしいなぁ・・・とも思っているところであるが、監督が代わってリセットされるチームが来年再びこの舞台に立つことができるのかどうか・・・。
期待すると裏切られる、ということは、もう40年近く見てきた者には一番よく分かっているだけに、心の底から期待せずに、見守っていきたいと思っているところである。