NANAの映画を見に行って以来、
伊藤由奈の『ENDLESS STORY』が耳から離れない。
伊藤由奈というより、REIRA(レイラ)といった方がしっくりくる。
ナナのバンド“Black Stones(ブラスト)”にとっての因縁のバンド、
“TRAPNESS(トラネス)”のヴォーカリスト。
原作では、ハーフでありながら日本人として歌わされることへの葛藤、
ミステリアスな雰囲気と子供っぽさの混在、
そして“ブラスト”メンバーとの間の秘められた過去と進行する現在、
といったなかなか面白い設定のバイプレーヤーとして登場してくる。
残念ながら、映画ではほとんどセリフがないまま終わっているし、
演技力が未知数であることから、
伊藤由奈自身が続編で同じ役を演じるのは厳しいのでは?という声もあるが、
今回の“NANA”で、最高の「役者」の一人だったことは間違いない。
とにかく、トラネスがこの曲を歌い始めてからの5分ほどの間に、
この映画の最高の山場が来る。
そして、彼女の透きとおるヴォーカルが、
雪の中の風景をより切ない物語に変える。
決して原作の良さが出ている映画ではない、
というのは、以前にコメントしたとおりだが、
(http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20051014/1129398943)
このシーンだけは、映画の方が良いと断言できる。
そして、このシーンだけで1800円はペイバックされる、といっても過言ではない。
・・・というわけで、HMVで買ってきた。
サントラ盤とどっちにしようか迷ったが、
カップリング(『JOURNEY』)の曲も劇中で流れていたもので、
嫌いな曲ではなかったので、シングル盤の方にした。
中島美嘉に比べると、さほどクセのある声質でもないし、
実に素直な歌い方で、これといった特徴があるわけではないのだが、
それゆえ、映画のBGMとしては完璧な「仕事」を成し遂げることができたのだろう。
たとえば誰かの ためじゃなくあなたのために 歌いたいこの歌を
終わらないstory 続くこの輝きに
Always 伝えたい ずっと永遠に
とりあえず、これでカラオケのレパートリーが1曲増える(笑)。
ついでに・・・
もう一回、NANAを見に行きたくなってしまった・・・。
どうやら、完全にメディアの戦略にはまってしまったようである。
ちなみに、先日五反田のカフェで、まったりしていたら、
BGMにこの曲の原曲、『If I'm not in Love』がかかっていて、
それはそれで、間違いなく名曲だった*1。
*1:『ENDLESS STORY』の「たとえば〜」以降の訳詩は見事だと思うが、サビに入る前の部分についていえば、原詞のままにおいておいた方が、素直にメロディラインに乗れたような気がする。