朝のニュースで、
杉村太蔵先生（笑）がフリーター、ニートを前に語る映像が
繰り返し流されていた。
北の名家出身であることが散々報道されている杉村先生が、
いかに「ニートと国会議員は紙一重！」と叫んだところで、
何の説得力もないのではあるが・・・。
自分は、正直言って、
今の社会はフリーター、ニート対策など必要とはしていない、
と思っているし、
仮にそれが求められる場面があったとしても、
その“対策”の矛先は、フリーター、ニート以外のところに
向けられるべきだと思っている。
フリーターに関して言えば、
曲がりなりにも勤労意欲はあるのだし、
働くことによって一定の生活の糧は得ているのだから、
そこにあえて政府が干渉する必要はないと言って良い。
自らフリーターを選択している人々を問題視するのは、
悪しき「正社員信仰」に基づく偏見でしかないし、
正社員になれずにフリーターをしている人々の存在を問題視するのであれば、
企業に対して採用の門戸を広げるよう、
プレッシャーをかける方向に政策を向けるべきだろう*1。
この点において、フリーター本人に罪はない。
ニートに関して言えば、
仕事をしない、教育も受けていない、という彼らの特質が、
メンタル面の問題に起因するのであれば、
何らかの対策が必要かもしれないが、
それは政治が関与する領域ではなく、
医学と心理学が関与すべき問題であろう。
精神的には至って健康的なのに、
仕事をしない、というのであれば、はっきり言って問題はない。
むしろ、仕事をしなくても生きていける
彼・彼女らの恵まれた境遇はうらやむべきものであるし、
それをもって社会悪と決めつけるのは、
単なる嫉妬の産物でしかない*2。
フリーター、ニートを問題視する人々は、
彼・彼女達が「職業人として必要なスキル」を身に付けられないことを
問題視して、「職業教育が必要」などと説いているようだが、
そもそも、「職業人として必要なスキル」って何だ？
パソコンが使えないと、
今の社会で仕事をするのはちょっと厳しいかもしれないが、
そんなものは、1ヶ月もすれば覚える*3。
そもそも、ニートの方々の中には、
毎晩パソコンにかじりついている人々も多いではないか。
コミュニケーション能力だとか、
プレゼンテーション能力だとかをもって、
必要な“スキル”というのは吹飯物である。
なぜなら、まっとうな“正社員”を気取る人々の中にも、
そのような能力を備えていない人は極めて多いのであるから・・・（笑）。
彼らの多くが企業等の“正社員”としての生き方ではなく、
アルバイトや無業者としての生き方を選んでいるのは、
そのような生き方をしても最小限の生活の糧を得られているか、
自ら生活の糧を得なくても、生きていくことが可能だからに他ならない*4。
働く必要のない人々を無理やり働かせるために、
お国が貴重なリソースを投入するのは単なる無駄遣いだし、
リソースを投入される側の人間にとっても失礼な話である。
生活の糧が断たれ、働く必要が出てくれば、
自ら餓死する道を選択しない限り、
大抵の人間は働くという道を選ぶだろう。
なら、それでいい。
杉村先生がやるべきことは、
自ら働かなくても生きていける恵まれた人々が、
大手を振って街を歩けるような環境を整えるために、
社会の偏見を打ち砕くこと*5。
そのためには、
次の衆院選を区切りとして、バッジを外し、
一ニートとなって、自らの生き様を世に知らしめるのが
よろしいのではないだろうか。
そこまでやれば、
“フリーター、ニート代表”を名乗っても、
誰も文句は言わないだろう（笑）。
*1:“一流”といわれる企業の採用方針が、いかに偏見に満ちた愚かなものであるかは、毎年採用にかかわっている自分自身が良く自覚している。
*2:かじれる親のスネがあるだけ、彼らは幸せ者である。世の“常識”に照らして彼らを批判するのは簡単だが、自分にとっては、それは単なる嫉妬感情から生まれてくる物言いでしかないということを自覚しているから、自分は、あえて彼・彼女達を支持する。
*3:キーボードが叩けて、メールソフトを使えれば、何も問題はないのである。
*4:「働きたくても働けない人々」についてはこの限りではなく、“救済”のために、政治が企業に対して強烈なプレッシャーをかけていく必要があることは認められるし、就職に向けてのマッチング向上のため、当人たちに一定の働きかけをする必要は認められるが、それは従来の「失業対策」の枠を出るものではなく、あえて「フリーター、ニート対策」などと銘打つ必要はどこにもない。
