最近のトレンド。

出る杭は塀の中に落とせ・・・!

といったところだろうか。


昨年、阪神株買占めが発覚した時に、
ボロクソの批判エントリーを書いたことでもお分かりのように、
http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20051005/1128530122
筆者自身、村上ファンドの手法は決して好きではない。


あたかも会社が株主のためだけに存在しているかのような
発想自体に疑問はあるし*1
仮にそのような“信念”に基づく行動に理があるとしても、
同時に、株主の“代表”を装いつつ、
利益が上がると見るやさっさと売り抜ける
背信的な側面を見せているのも事実なのであって、
このあたり、やっていることは
決して褒められたものではない*2


だが・・・


タイミングといい、メディアのコントロールの仕方といい、
まるで1月の大捕物の再現VTRのような
今回の動きを見ていると、
またか・・・という胡散臭さ感は拭えず、
結果、冒頭のキーフレーズに行き着くことになる。


内部者取引制限に関する証取法の条項は、
この法律にしては、比較的、
規定されている要件が具体的に記載されている部類に入るため*3
事実さえ明らかにされれば、
村上ファンドの行為が合法か違法か、ということ自体は、
一種機械的に判断できる面もあると思うのだが、
それでも、
①誰から、どのようなルートで、
②どの段階(レベル)で情報を入手したか、によっては、
法的見地からのファンドの行為への評価が
大きく変わってくるわけで、
各社の株主総会を控えたこの時期、
あたかも「村上氏=有罪」が既成事実であるかのように
“疑惑”の大きさを流布する
地検関係者や各メディアの姿勢の背後には、
やはり、何らかの思惑の存在が垣間見えてしまうのである。


この先当面は、村上氏をめぐる話題が
新聞やテレビを賑わせることになるのだろうが、
法に違反するかどうか、という本質的議論を置き去りにして、
「倫理感」だとか、「モラル」だとか、
はたまた「行き過ぎた規制緩和」だとかといった、
本質的ではない議論を垂れ流すことだけは、
避けていただきたいものだと思う。


まぁ、そんな賢明なる情報の取捨選択は、
今のメディアには、
ほとんど期待することはできないのであるが・・・。


(追記)
個人的には、堀江社長と比べても
日の当たる道を歩き続けてきた印象のある村上世彰氏。
テレビ画面を通じて時折り見せる神経質な表情からは
“打たれ弱さ”を伺えるだけに、
この先の捜査の進展状況や報道の内容如何によっては、
ご本人の身がどうなるかさえ、案じられるところである。


人間的な好き嫌いはさておき、
企業統治の在り方に一石を投じた“功績”は
ある程度評価されてしかるべきであろう、と思われるだけに、
不幸な事態に繋がらないことを願う。
老婆心ながら。

*1:もっとも、これまで村上ファンドの餌食となった企業が他のステークホルダーに対して優しかったか、と言われればそれもまた疑問で、それゆえ、経営陣を“成敗する”ことで世の喝采を浴びることができたのだろうと思われる。

*2:ファンドとはそういうものだ、と言われればそれまでなのであるが・・・。

*3:「重要事実」の列挙など。

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