走り出す時はいつか来るのだろうか。

ヤイコが歌うバラードの中では五本の指に入る名曲「fast car」。
最近のライブでも定番になっている。


電車の中で繰り返し聞いているうちに、
詞が気になったので、
眠っていたライブアルバムの歌詞カードをみてみた。

You got a fast car
此処よりも遠くへ 
二人で行くの
何処へ着いても此処よりはいい
失うものはない
あなたがそこにいればいい
失うとしても
きっと二人ならなんとでもなる
〜♪『fast car』(作詞:Tracy Chapman 日本語対訳詞 矢井田瞳

カバーソングだったことを初めて知るとともに*1
その詞的世界の奥深さに感じ入る。

行き先は選ばない
エゴもなければ利己もない
そんな土地で仕事を手に
見つけたいの
生きていく意味を

原曲が歌われた世界ほど、
この国には格差はないし、
旅立つか死ぬかの二者択一を迫られるほど、
生きにくい世の中になっているわけでもない。


だが、自分自身、これまでに何度も、
こんな気分に駆られてきたのは事実だ。


組織の中で自分が生きていく意味を見出せなくなったら、
単車に乗ってどこかへ走り出せばいい、
これまでの自分は単純にそう思っていた*2


でも、最近、確実に何かが変わり始めている。


「職がない」あなたと
「レジが打てる」だけの私が、
「良くなる」はずの未来を信じ、
「のどかな郊外の大きな家」を求めて走り出す・・・


決して楽天家ではない自分から見たら、
これじゃ無理心中コースだろうが(苦笑)、
って言いたくなるのは確かだが、
夢のない人生は、それもまた寂しい。


お互い走り出したくなったら走り出そう。
ハンドルはどちらが握ってもいい。
自分が握ったハンドルは
少々のことでは投げ出さない自信はあるが、
自分で運転したい、と言われれば、
いつだって席は譲るし、
それでいて、走り続けることに疲れたのなら、
席を入れ替えてまた走り出せばいい。


自分に今できることは、
いつか来るかもしれないそのときに備えて、
ちょっとやそっとじゃビクともしない頑丈な車と、
走り続けていけるだけの燃料を用意しておくこと、
それくらいしかないのだけれど・・・。


守りたいものは、唯一つ。


次のライブで、
大切な誰かと聞きたい、そんな曲。

*1:トレイシー・チャップマンの1988年のナンバー。デビューアルバムがグラミー賞3部門受賞、世界的に有名なシンガーソングライターの曲を知らなかった自らの不明を恥じる・・・。

*2:実のところ二輪の免許は持っていないのだが・・・・(苦笑)

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