日立製作所・職務発明事件上告審17日判決へ

「DVDなどの光ディスク読み取り技術の特許を巡り、日立製作所の元社員で会社経営、米沢成二氏が発明対価の支払いを求めた訴訟の上告審で、最高裁第三小法廷(那須弘平裁判長)は10日、判決を17日に言い渡すことを決めた。上告審で弁論を開かなかったことから、同社に約1億6300万円の支払いを命じた二審・東京高裁判決が確定する見通しとなった。」(日経新聞2006年10月11日付け朝刊・第42面)

青色LEDと並んで、大きな関心を集めていたこの事件。
結局和解の道はとられることなく、
オリンパス事件以来久々の、最高裁判決が出されることになりそうだ。


本件については、原告が発明者であることや、
特許自体に価値が認められることについてはもはや疑いはなく、
あとは外国特許に対応する対価の支払いが
日本の特許法35条に基づいて認められるか否か、が
主要な争点としての関心事となっていたのであるが*1
それもどうやら35条適用肯定説で決着することになりそうな雰囲気。


昨年春の改正特許法施行を一つの転機として、
すっかりなりを潜めた感がある職務発明の話題だが、
本判決を機にまた一つ盛り上がりを見せるのかどうか・・・*2
最高裁がどんな理論構成を示すのか、
あまり期待しないで待つことにしたい(笑)。

*1:クロスライセンスを行っていた場合の「使用者の受けるべき利益」なんていう争点もあったかもしれないが、果たして上告審で判断されるのかどうか・・・。

*2:実のところ、法改正に基づいて改訂された社内規程に基づく支払いが果たして合理的なものとして裁判所に認められるのか、全く想像が付かない現状では、法改正によっても、実務上の問題は何ら片付いていない、といわざるを得ないのであるが・・・。まぁ、メディアや学界が移り気なのはいつものことだから仕方ない(笑)。

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