商標いろいろ(その5)

まだ続いていたのかこのシリーズ(苦笑)。
随分としばらくぶりだ(たぶん「その4」は約半年前だ)。


何で久しぶりに書く気になったかというと、
先日、仕事で商標を調べていたら、
たまたま出願中の商標にとんでもないものをいくつか発見したから、
である。


まぁ、見る人が見たらどうってことない中身なのかもしれないけど、
個人的に衝撃だった2件。

綾小路麗華もびっくり。

サイバーダイン社といえば、
カリフォルニア州知事(笑)がかつて死闘を繰り広げた
スクリーンの中の著名企業であり、
現在も西の方の某巨大テーマパークにおいて、
随一本場の笑いが楽しめるアトラクションのひとつとして、
おなじみのものであるが、
先日偶然見つけてしまった・・・。

商標出願2006-85892号 「CYBERDYNE」

なんかのネタか?と思いきや、
実はこの商標の出願人は、社名もサイバーダイン、
しかもれっきとしたロボット系ベンチャー企業のようである。
http://www.cyberdyne.jp/


個人的には、この社名、
悪趣味なブラックジョークのようにしか思えないのだが、
本場のWikiにもちゃんと取り上げてもらっているようだし、
目くじら立てる話ではないのかもしれない*1
http://en.wikipedia.org/wiki/Cyberdyne_Systems_Corporation


それにしても、
このサイバーダイン社出願商標の役務を見ると、

随意的制御機構及び自律的制御機構により人間と機械が一体となって人間の身体的機能の拡張・増幅を実現する人間装着型ロボット,随意的制御機構及び自律的制御機構により人間と機械が一体となって人間の身体的機能の拡張・増幅を実現する金属加工用・鉱山用・土木用・荷役用・漁業用・化学用・繊維用・食料加工用・飲料加工用・製材用・木工用・合板用・パルプ製造用・製紙用・紙工用・印刷用・製本用・農業用・靴製造用・製革用・たばこ製造用・ガラス器製造用・塗装用・包装用・陶工用・プラスチック加工用・半導体製造用・ゴム製品製造用又は石材加工用の人間装着型ロボット,金属加工機械器具,鉱山機械器具,土木機械器具,荷役機械器具,漁業用機械器具,化学機械器具,繊維機械器具,食料加工用又は飲料加工用の機械器具,製材用・木工用又は合板用の機械器具,パルプ製造用・製紙用又は紙工用の機械器具,印刷用又は製本用の機械器具,ミシン,農業用機械器具,靴製造機械,製革機械,たばこ製造機械,ガラス器製造機械,塗装機械器具,包装用機械器具,陶工用ろくろ,プラスチック加工機械器具,半導体製造装置,ゴム製品製造機械器具,石材加工機械器具,動力機械器具(陸上の乗物用のものを除く。),風水力機械器具,機械式の接着テープディスペンサー,自動スタンプ打ち器,業務用電気洗濯機,業務用攪はん混合機,業務用皮むき機,業務用食器洗浄機,業務用切さい機,業務用電気式ワックス磨き機,業務用電気掃除機,修繕用機械器具,機械式駐車装置,乗物用洗浄機,消毒・殺虫・防臭用散布機(農業用のものを除く。),機械要素(陸上の乗物用のものを除く。),芝刈機,電動式カーテン引き装置,廃棄物圧縮装置,廃棄物破砕装置(太字筆者)

・・・ってなんかすごそう。


スカイネット」ももはや夢物語の話ではないのかもしれない。

日本郵政公社の野望

もうひとつ、これはありなのか、と思わされた出願商標。
民営化が決まった某公社の野心をうかがわせる商標である。

商願2006-94365号 「速達」
商願2006-94366号 「書留」
商願2006-94367号 郵便事業

おいおい最後のは記述的商標そのまんまじゃないか、
という突っ込みを思わずしたくなるのだが*2
前の二つにしても、本当に独占適応性があるのか、
疑わしいといわざるを得ない。


「速達」の役務を見ると、

39 鉄道による輸送,車両による輸送,道路情報の提供,自動車の運転の代行,船舶による輸送,航空機による輸送,貨物のこん包,貨物の輸送の媒介,貨物の積卸し,引越の代行,船舶の貸与・売買又は運航の委託の媒介,船舶の引揚げ,水先案内,主催旅行の実施,旅行者の案内,旅行に関する契約(宿泊に関するものを除く。)の代理・媒介又は取次ぎ,寄託を受けた物品の倉庫における保管,他人の携帯品の一時預かり,ガスの供給,電気の供給,水の供給,熱の供給,倉庫の提供,駐車場の提供,有料道路の提供,係留施設の提供,飛行場の提供,駐車場の管理,荷役機械器具の貸与,自動車の貸与,船舶の貸与,車いすの貸与,自転車の貸与,航空機の貸与,機械式駐車装置の貸与,包装用機械器具の貸与,金庫の貸与,家庭用冷凍冷蔵庫の貸与,家庭用冷凍庫の貸与,郵便,冷凍機械器具の貸与,ガソリンステーション用装置(自動車の修理又は整備用のものを除く。)の貸与

となっているが、
鉄道・航空機・貨物といった輸送分野や
引越代行といった分野では、普通に早く届けることを
「速達」って言ってるんじゃないかと小一時間・・・*3


もちろん、商標出願の場合、権利を確保することだけが目的じゃなくて、
「何人も商標を登録できないこと」を確認するために出している場合もあるので、
郵政公社サイドからしてみれば、
「そんなこと分かってるワイ」といったところなのかもしれないが、
もし本気で権利を取りに来ているんだとしたら、
造反議員が懺悔しただけじゃすまない(笑)、
問題のような気がする。

*1:ちなみに本場のユニバーサルシティは「CYBERDYNE PRODUCT SHOWCASE」という商標を取得しているが(第4282551号)、それに先駆けて東芝が商標を取得していたり(第2353257号)、謎の個人が28類で「CYBERDYNE」を抑えていたり(第4792714号)、と意外にハリウッド、脇が甘い・・・(笑)。

*2:後で調べたら「郵便事業株式会社」も商標出願中であった(商願2006-31115号)。

*3:ちなみに「速達」は出願中のものも含め先願商標が2件、「書留」は7件存在している。

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