「18歳」の成人式

政府が成人年齢の引き下げを本格的に検討し始めているようで、

「13日の法制審議会に諮問する方針」

というニュースが5日付の夕刊に載っていた。


成人年齢」が18歳か20歳か、なんて話題は、本来法律家にとってはどうでも良い話だと思うし、それゆえ(民法改正という体裁をとるとはいえ)「法制審議会」に諮問するという手法には少々違和感もあるところなのだが、この程度のネタで無駄に有識者委員会を立ち上げるくらいなら、既存の審議会でさっさと処理してしまったほうが賢明なのも事実である*1


こういった話が急に出てきた背景に、昨年成立した「国民投票法」上の投票可能年齢をめぐる議論があるのは間違いないのだが、そういった特別な事情がなくても、高校の卒業時点で、各人がそれぞれの道を選んでいく(就職して生計を立てられるようになる人も少なからずいる)今の社会実態を考えれば、18歳への成人年齢“引き下げ”は、決して不自然なことではないと思う。


大学生活の真ん中あたりのくすんだ中途半端な時期に成人式の招待状をもらって、「何を今さら」と蹴っ飛ばした身からすれば、ちょうど皆がスタートラインに立つ「18」の春にでも成人式をやったほうが、よっぽど心晴れやかにその日を迎えられるんじゃないか、と思ったりもする。


実現するまでにどの程度時間がかかるのかは知らないが、「パターナリスティックな制約」という厄介な代物から逃れられる時期は、早いに越したことはない。


法改正の端境期に19歳、20歳を迎えるタイミングの人々には気の毒だが*2、筆者としてはこの問題に早々に決着が付くことを望んでいる。

*1:「影響が大きい」というが、改正する法律の本数の数が多いだけで、世の中何ら変わるところはないだろうとも思う。

*2:こういう世代の人々が、どういう取扱いを受けるのか(新・18歳と一緒に「成人式」を受けるのか、それとも・・・)は興味深いところなのだが(笑)。

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