知財だけではメシは食えぬ〜パイオニアの悲劇

ここ数日、続々と定時株主総会の招集通知&事業報告書が届いている。


株主総会にしても、事業報告書にしても、いろいろと驚かされる話題は詰まっているのであるが、中でもショッキングだったのはパイオニア株式会社の事業報告書。


元々、筆者がこの会社の株を買ったきっかけは、同社が積極的にアピールしていた「特許を活用した経営戦略」なるものに興味を抱いたからで、事実、当時(もう5年近く前になるか・・・)は、光ディスク関連特許で相当の収益を挙げていたように記憶しているのだが、それも今は昔。


筆者が株式を購入して以降、有力な特許の権利期間満了により、特許料収入は年々減少、それに加えて、会社の業績の方も、NECからPDP事業を買収した頃をピークに、坂道を転げ落ちるかのように凋落の一途を辿っていった。


最近ではシャープや松下電器との提携で何とか活路を見いだそうとしているようであるが、残念なことに株価には反転の兆しすら見えず、筆者のポートフォリオの中でも最大のお荷物になってしまっている。


そんな状況は重々承知していただけに、明るいニュースなど期待していなかったのだが・・・。


まず、「(1)主要な事業内容」の項にある「特許関連」セグメントの「当期営業収入構成比率」は0.6%から0.3%に低下。

「特許関連事業における特許料収入は、光ディスクに関する一部の特許権の期間が満了したことから、前期に比べ57.1%減収の1,999百万円となりました」

という説明が付されている。


で、この辺までは予測の範囲内だとしても、恐ろしいのはこの先だ。


「(3)設備投資の状況」の項に記載された、「特許関連」の項の数字は、僅か100万円。
前期比にして、なんと「1.1%」(要は100分の1)である。


さらに恐ろしいのは、「(8)従業員の状況」。

「従業員数2名(対前期末増減)22名減」

元々、少数精鋭でできる仕事とはいえ、2名って・・・・(絶句)。



かつて知財経営の優等生として、各所で持ち上げられていた会社にしては*1、何とも寂しい状況だといわざるを得ない。


筆者自身、元々、世の中で踊っていた「知財経営」なる言葉に非常に懐疑的だったのではあるが、「本業が栄えないことには、知財もへったくれもない」というシビアな現実をこれだけ明確に突きつけられると、「新時代の到来」に何となく皆浮かれていた“知財バブル”時代が何となく懐かしく思えてきたりもするわけで。



最後の望みを「クロ」に託していたのは、ほんの1年ちょっと前。


世の無常さを感じる。