この1週間でジェフは劇的に変わった。
なぜこのタイミングで?という思いはあるが、オフシーズンを含めて約1年、という決して短くはない時間を与えられながら、結局チームを劇的に立て直すことができなかったミラー監督の責任は確かに問われるべから、この交代劇も妥当、というべきだろう。
そして何より、草創期からジェフを見守っているサポーターにとって、江尻篤彦という名前には特別な思い入れがあるわけで・・・。
開幕直後の“黄金期”には中盤の要として活躍、アメリカW杯最終予選に挑む日本代表に都並の代役として招集され、ジェフ唯一の代表メンバーとしてスペイン遠征(結局、落選したが・・・)。そしてそのあとの長い転落への道程で主将として苦渋の日々を味わったであろう彼の思いは、当時のジェフサポの思いともおそらく共通しているはずだ*1。
そして、就任記者会見では、そんなサポーターの思いに応えるかのような、
「僕は、前身の古河電工時代から社会人のサッカーを経験させてもらって、プロ化になってジェフと、選手として、指導者として第一歩を歩ませてもらって、また監督として第一歩と、やはりこのクラブに対しての感謝の気持ちは言葉では表せないものが心の中にあります。このクラブが好きだから戻ってきたというのもありますし、このクラブのために何とかいい方向へ導けたらなと思っています。本当に「ジェフ愛」というものは人一倍持っているつもりです。」
というコメント*2。
引退してから10年、育成部からトップチームまでジェフでコーチ経験を積み、その後、反町監督の下で、アルビレックス、U-23でのコーチとしての経験も積むなど、指導者として十分な熟練を積んだ江尻監督のこと。
「愛」だけでチームを立て直せるなんて甘い考えを持っているはずもないが、サポーターとしてはどうしても期待してしまう*3。
残念ながら初戦は、磐田の前に苦杯をなめる多難な門出となったが、願わくば、来年以降夢のあるサッカーを目指していける環境を確保できるように、残り14試合の選手の奮闘に期待したいところである。
*1:辛うじてJ1残留を決めた98年シーズンの末に、主将を務めたまま引退、という異例の展開となったのも、あの時代のチーム事情を象徴していたように思える。
*2:http://www.so-net.ne.jp/JEFUNITED/tools/cgi-bin/view_news.cgi?action=view&nid=4823より。