「働きやすい会社」の看板の真偽

何かとランキングを載せたがる某日経紙の紙面に、毎年恒例の「働きやすい会社」ランキングが掲載されていた。


ざっと上位を抜いてみると、

1 パナソニック
2 凸版印刷
3 東京海上日動火災保険
4 日立製作所
5 日本ヒューレット・パッカード
6 パナソニック電工
7 大和証券グループ本社
8 NEC
9 三井住友海上火災保険
10 ダイキン工業

といった感じである。


ランキングは、「子育てに配慮した職場づくり」「働く側に配慮した職場づくり」「社員の意欲を向上させる制度」「人材の採用・育成と評価」といった各項目を総合してはじき出した数字をベースに作られているようであるが・・・。



ベスト10に入った会社の中には、筆者が好感を持っている会社もあれば、そうでない会社もある。


好き嫌いで全てを論じるのは大人げないと思うが、かといってこういったランキングを丸のみする気にも到底なれない。


ここに出てくる会社に勤めている人から、“働きにくさ”を裏付けるような供述(笑)を得たことは決して稀ではないし、逆にここに出てこない会社の中にも、羨ましいばかりの働きやすさを誇る会社はある。そして何よりも、“標準的社員”にとって相対的に働きやすい環境が、スペシャリストであったり、規格外のオリジナリティにあふれていたりする社員にとって、「働きやすい」環境だとは必ずしも言えない、というところに最大の問題があるように思う。


結局は実際に入ってみて、自分に合うかどうかを確かめるまでは、「働きやすいかどうか」なんてことは分からないのだ。法務のような特殊部隊を目指している人間にとっては特に。



個人的には、就職の際に、「働きやすい制度が整った会社」を選ぶ作業に労力を費やすよりも、周囲に有無を言わせぬ力をさっさと身につけて、自分で「自分が働きやすい」制度なり運用なりを整えさせる方に力をつぎ込む方が有意義なんじゃないかな、と思っていたりもするのであるが・・・*1

*1:マクロな改革をするのはさすがに骨が折れるが、自分の周囲100m以内のミクロな改革であれば案外うまくいってしまうものだ、というのがこれまでの経験の中から学んだ最大の成果なのかもしれない、と思う。

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