いつかはこんな日が来る。

長年日本女子テニス界の第一人者として活躍してきた杉山愛選手がとうとう引退を表明することになった。


ここ数年は、4大大会でもシングルスでは3回戦進出が精一杯といった感があったし、ダブルスでは時々上位を賑わすものの(今年の全豪も今思えば準優勝だった)優勝までは遠くなっていた。


毎年、シーズンの終わりになると、現役続行か引退かが話題になるようになって久しかったから、今回の引退表明も予想された範囲内の事態というべきなのだろう。


だが・・・


1993年のウィンブルドン初出場、そして翌年のウィンブルドン2度目の出場。


そして、そこから今年の全米オープンまで積み重ねられた、四大大会62大会連続出場の金字塔。


もちろん、その過程には、四大大会ダブルスでの3度の優勝や、全豪&ウィンブルドンでのベスト8といった華やかな実績もある。


自分がラケットを握ることはめったにないが、それでも小さな体を躍動させながら世界をまたにかけて戦う彼女の姿は学生時代からあこがれの眼差しをもってずっと見てきたし、10代から20代、30代と、年を重ねる中でも決して休まない堅実さと、“不信”や“衰え”がささやかれた頃に、一気にセンターコートまで駆け上がるようなブレイクを見せる小気味よさに陰ながら声援を送ってきた*1


それゆえ、表舞台から同世代のスターがまた一人退くことに、個人的には堪えようもない寂しさを感じている。



スポーツ選手に限らず、いつかはそんな日が来る。


それは重々分かっているつもりなのだけれど・・・。

*1:伊達公子引退直後、一気に日本の“エース”的な立場になってしまったプレッシャーによる不振が噂された時期や、“ダブルスプレイヤー”としての評価が固定化しかかった時期もあったが、そんな風評にあらがうかのような意外性を時折見せてきた。

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