当初の想定よりはるかに厳しくなったとはいえ、「合格率27.6%」という数字は、見かけ上はさほど重いものではない。
だが、2〜3年待たされた上に、絶対比較すれば旧い試験よりもはるかに難易度が高い問題に丸々一週間近く挑まされた揚句、救われる人が3割もいない、という試験は、やはり過酷というほかない。
自分が知る範囲だけでも、救われなかった「7割」の中に、即戦力になりえた人材が少なからずいた現実を鑑みれば、もしかしたら“我が身”だったかもしれなかった過酷な運命を免れた幸運を喜ぶ気には、とてもなれないのである。
報われない人間が圧倒的多数になった現状を踏まえるならば、“既卒”にならないと試験そのものを受験できないような現在のシステムは直ちに改められるべきで、最終学年の年度の真ん中あたりで受験機会を与えるようなスケジュールにしないと、当の受験者にとっても、喉から手が出るほど法務人材を欲している実務の側にとっても、どちらにとっても不幸なことになってしまうだろう*1。
自分の経験からいえば、試験というものは場数を踏めば踏むほど、能力の変動や知識量の増減にかかわらず力を引き出せるようになるもので*2、今年“一度”でも舞台を踏んだのであれば、どんな形でもチャレンジを継続し続ける方が、得られるものは多いと思う。
だが、いろいろな事情で、それが難しい、という人に対して、今、かけるべき言葉を自分は持っているのだろうか・・・。
旧い試験での1回の失敗と、新しい試験での1回の失敗。
次の機会が巡ってくるまでに費やす時間は同じなのかもしれないが、その重さはたぶん違うような気がしていて、それゆえ、全く同じ場面には決して遭遇しえなかった我が身には悩ましいことこの上ない。
「前を向いていればいつか道は開ける」
ありふれた言葉だけど、自分がこれまで、追い込まれたときに何度も心の中で繰り返していたフレーズをここに記すとともに、もう一度、自分を信じて歩いていってほしい、とひたすら願うのみである。