4年ぶりに東京で開催されたグランプリファイナル。
元々五輪本番に直結するような大会ではないし*1、今年に関しては、女子は浅田真央選手、男子はジュベール選手や復活したプルシェンコ選手が出場していない以上、「世界のトップ6」といっても迫力に欠けるメンバーであったことは否めない。
SP、フリーと比較的ハイレベルな争いになった男子はともかく、キム・ヨナはじめ、SPの上位陣にイマイチ冴えがなかった女子の方は、正直見ていて退屈するほどであった*2。
そんな中、この日出場した日本勢で一番光っていたのは、やはり鈴木明子選手だろう。
ガチガチのプレッシャーの下、カナダで辛うじてファイナル進出権を拾ったのは、ほんの2週間前の話。
それが初出場のGPファイナルという大舞台で、ここまで取り戻してくるのだからやっぱりこの子は強い。
残念ながら、安藤美姫選手が今大会で手堅く2番目のポジションに収まったことで、バンクーバー行きの席は1つ埋まってしまった。
いかに今季不振にあえいでいるといっても、浅田真央選手を代表メンバーから外す決断をする勇気がスケート連盟にあるとは思えない*3から、実質的には残り1席。
なみはやドームで最後の切符を勝ち取れるのか、それとも4年前の中野友加里選手のように、GPファイナルの表彰台まで駆け上がりながら、実績という“壁”にふさがれて、シンデレラストーリーに終止符が打たれてしまうのか。
最後の1席を争う相手が4年前の“シンデレラ”になりそうな状況なのが何とも皮肉なのだが、個人的には“ウエストサイドストーリー”のテーマに乗せた小気味よいステップが、バンクーバーのリンクで再び披露されるのが、一番ハッピーな展開なんじゃないか、と思っている*4。