フィギュアスケートGPシリーズ第5戦となったロシア杯で、中野友加里選手がまたしても素晴しい滑りを見せた。
ここ数年、浅田真央と安藤美姫の両選手に盲目的な喝采を浴びせるメディアに辟易しているむきからすれば、今年の中野選手の活躍は何とも頼もしく映る。
だが、残念なことに視聴者の主観的評価と、ジャッジの“客観的”な採点がずれる傾向は相変わらずで、「ほぼ完璧」に見えたこの日のフリーの滑りでも、キム・ヨナはおろか、ロシェット選手の後塵をも拝するスコアにとどまっている。
所詮我々素人の評価なんていい加減なものだから、どんなに美しいジャンプコンビネーションでも、プロの目から見れば減点要素が盛りだくさんだったりするのだろうが*1、技術点はともかく演技点はもう少し高く付けてくれてもいいんじゃない?というのが、視聴者のみならず中野選手本人も含めた思いのはずだ。
「格」が少なからずモノをいうこの世界のこと、“日本の3〜4番手”という現在の格付けが、点数に何らかの悪影響を与えているんじゃないか、という邪推もしたくなるもので、おそらく、このまま世界選手権レベルの大会に乗り込んだとしても、中野選手がメダル圏内に食い込むのは難しいといわざるを得ない。
世界選手権までに残されたチャンスはあと2回。
筆者としては、これから続くグランプリファイナル、そして日本選手権で最高の演技を見せることで、中野選手が自力で浅田真央選手と並ぶ「二枚看板」としてのポジションを掴み取ってくれることを願っている。
そして、そうなった時初めて、彼女の世界女王への道も開けることだろう*2。