総務省は救世主になれるのか?

アジア杯のカタール戦で、決勝ゴールを叩きこんだ伊野波選手。

「DFなのに何であんなポジションにいたの・・・?」

という突っ込みが随所で上がっていたようだが、今日の日経紙の1面にも“伊野波”を彷彿させるような記事が載っていた。

総務省は行政評価の一環として、4月から全国に74ある法科大学院の半数以上を抽出し実施する方針を固めた。司法試験合格率が低いことや合格しても就職が難しいなどの実態を踏まえ、合格者数を「年間3000人」とした政府目標が現状に合っているかを検証する。同省は司法制度改革の柱である法曹人口拡大などの見直しにつなげたい考えだ。」(日本経済新聞2011年1月23日付朝刊・第1面)

“何で総務省やねん!”という突っ込みが上がりそうな記事だが*1、既に同省では「法科大学院(法曹養成制度)の評価に関する研究会」なるものを開催し、報告書まで出して意見募集を行っているところ*2
参照:http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/houkadaigakuin/index.html

“一度決めた制度は何としても守り抜こう(?)とする法務省”や、“自らが主管する大学の経営を揺るがすような施策には舵を切りにくい文部科学省”では、おそらく現在の「課題」を克服できないだろう、という世の声に敏感に反応したのか、元々所管外の分野であるにもかかわらず、昨年から今年にかけての動きは実に素早い。


「お寄せいただいた意見」の中身を見る限り、(意見を寄せている人々の“必死さ”如何にかかわらず)それほど深刻な問題とは言えないんじゃないか、という意地悪な見方もできるところだし*3、これでまた「行政評価局の職員を派遣して調査する」なんてことになれば、そうでなくても余裕のない法科大学院の教育スタッフの先生方が、書類・資料作成に追われて余計に泣く羽目になるんじゃないか・・・と心配もしたくなるところではある。

ただ、中には“救世主”としての総務省に期待する方もいるだろうから、ここはお手並み拝見・・・といったところだろうか。

くれぐれも、議論を混乱させるような“オウン・ゴール”を自陣に叩き込んで、そうでなくても元気がないサポーター(業界関係者)をますます落胆させたりしないよう、お願いしたいところである。

*1:記事によると、やはり片山総務相が江田法相、高木文科相に一応仁義は切るらしい(笑)。

*2:昨年末、商事法務のMLか何かを見て初めてこの存在に気付いたのだが、その時も「総務省」という主管官庁の記載に非常に違和感を抱いたものだった。

*3:そもそも、意見を寄せている人のほとんどが法曹、法科大学院関係者と推認されるにもかかわらず、文章力が拙かったり、感情がコントロールできてなかったりして、何が言いたいのか分からないようなものが多すぎる。報告書の内容や、ここに挙がっている意見等については、数少ない(片手で数えられるほど)まともに読める意見を中心に別エントリーで取り上げた上で、自分の意見と合わせて紹介したいと思っているところであるが・・・。

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