壮大な学級会

自分から「辞める」と言うことは絶対にないと思っていた菅直人首相が、とうとう吹っ切れてしまったことで、民主党の代表選が、とうとう現実に訪れることになった。

報道では、連日のように「有力候補」と目される人々の動向を伝えているのだが、それ以上に良くニュースに出てくるのは、小沢一郎鳩山由紀夫、といった“元代表”の意向がどうのこうの、といった類の話。

しかも、そこから見えてくるのは、

「○○君とは仲良くできないからダメ」

みたいな、小学校の学級会レベルの次元の低いところで争っている、という悲しい現実ばかり。


いやしくも衆議院で最大の議席を持つ民主党の代表になる、ということは、即、一国の総理になる、ということだ。

にもかかわらず、候補者が「一国の首相になって何をやりたい」という明確なビジョンを前面に打ち出すこともなく*1、選ぶ側もそこに選択の基準を置かない。

強いて言えば、「小沢・鳩山路線」を支持するかどうかが一つの踏み絵になっている、と言えなくもないが、それだって、政策の中身よりも*2党員資格停止の解除だとか、人事面での厚遇だとか、といった話の方に、専ら関心が集まっているように思える。


もちろん、首相の座を巡る争いが、純粋な「パワーゲーム」になるのは、今に始まったことではなく、自民党政権時代から、指摘され、批判されていたことではある。

ただ、あの頃は、もう少し見えないところで上手にやっていたと思うし、少なくとも政権運営に失敗して辞任した元首相(しかも「政界引退」まで明言していた人)や元代表の“好き嫌い”が堂々と表で報じられるようなことは稀だったはず。

その辺の舞台回しを上手にできる人がいない、というのが、まさに今民主党政権が苦戦している理由だから、今のような展開になるのも、半ば必然、ということなのかもしれないけれど、もう少しなんとかしてくれよ・・・というのが、2代続けて自分の国の代表者すら選ぶことができない、一ウォッチャーとしての率直な思いなのであるが・・・。

*1:某農相なんて、「やりたいことを言うと、党内がまとまらなくなるから言わない」なんてことまで言っていた、と報じられている。

*2:そもそも当時の政策の多くは、現在の財政状況の下では実現困難、としてボツになっているのだから、「支持する」と言ったところで、所詮は口先だけの話に過ぎない。

google-site-verification: google1520a0cd8d7ac6e8.html