ミステリアスな反応。

我が国有数の公共輸送機関ゆえ、特例に特例を重ねる形で救済が図られ、あっという間に、再上場にこぎつけようとしている日本航空

最近の業績回復があまりに目覚ましいがゆえに、“利権の再取得”をもくろむ政治方面の声だけでなく、競合する同業者である全日空からも激しい批判が浴びせられている中、もうひとつの同業者から、あっと驚くような見解が示された。

スカイマークは13日、9月に控える日本航空の再上場について「業界安定のため歓迎する」との意見書を国土交通相に提出した。再上場に反対している全日本空輸の姿勢を「企業間競争のなかでの論理であり、業界全体の安定を考慮しているものではない」と批判。「企業の競争論理に巻き込まれることなく、航空輸送を第一に考えてほしい」と要請した。(日本経済新聞2012年7月14日付け朝刊・第9面)

確かに、スカイマークといえば、JALコードシェア便を運航していたこともあるし、空港内のカウンターの位置からしても“JAL寄り”(笑)の会社なのは間違いない。

だが、それにしても、「企業間競争の中の論理」を否定し、「業界全体の安定」などというあたかも“霞が関の中の人”のような物言いを、「会社の見解」として堂々と表明する、というのは一体どういう了見なのだろうか。

しかもこの会社、先日の「サービス・コンセプト」問題では*1、一企業として可能な範囲でのサービスに専念する、という趣旨で、文字通り「企業としての論理」を前面に出していたはずなのに・・・。

どうやら、スカイマークという会社は、自分が想像していた以上に、ミステリアスで、エキセントリックな会社なのかもしれない。

個人的には、いかなる業界であっても、業界の中で健全な競争環境が設定されて初めて、まっとうな業務遂行が可能になる、と思っていて、航空輸送についても決してそれは例外ではない、と思うだけに、ここ1,2年の間、必死の経営努力を経て、対JALの関係でも気を吐いているANAの足を引っ張るようなことはして欲しくないなぁ・・・と、思うところである。

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