2016年8月24日のメモ

執行役員」の是非

日経紙が2日にわたって「曲がり角の執行役員制度」というコラムを掲載していた*1
「上」で散々っぱら落として「下」でちょっと引き上げる、というありがちなコラムの構成パターンだが、結論としては、“よほど上手に使わないと意味がない”といった雰囲気(どちらかと言えば落とし気味)になっている。

確かに、会社に雇用されている単なる使用人が「役員」を名乗るのはどうなの?といった点については自分も同意するのだが、今、大企業で採用されている「執行役員」制度の多くは、「取締役会のコンパクト化の過程で、本来であれば「会社法上の役員」になるにふさわしい能力と権限を持っているにもかかわらず取締役に選任されない幹部社員が大量発生した」ことに起因して出来上がっている、という側面もあり*2、いかに優れた人物でも相応の“箔”がないと表舞台に出にくい、という今の産業界の現実を鑑みると*3、そう簡単に「無意味」ともいえないように思うところ。

いずれ日本企業の人材希薄化が進んでいけば、“役員”を名乗るにふさわしい人材も減っていくだろうから、そんなに心配しなくても自ずから消えていく役職のような気もするのだが、この辺はもう少し様子を見ていく必要があるのかもしれない。

期待され過ぎた“レフティモンスター”の悲劇とカリスマの復帰

開幕当初こそ好調だったものの、その後ズルズルと黒星を積み重ね、Jリーグ開幕当初から守ってきた「1部」の地位の維持がかなり危うくなってきている今年の名古屋グランパス
就任1年目、しかもGMを兼任する“全権監督”だった小倉隆史監督への風当たりは当然強く、一度は球団社長が交代を強く否定したこともあったものの*4、とうとうここに来て事実上の解任、という事態に相成ってしまった。

「J1名古屋の小倉隆史ゼネラルマネジャーGM)兼監督(43)が成績不振によりシーズン途中で休養することが23日、チーム関係者への取材で分かった。クラブ側から休養するように伝えられ、事実上の解任といえる。」(日本経済新聞2016年8月23日付夕刊・第13面)

残留ラインに大きく水を開けられた状況を考えると、後任がかつてストイコビッチ監督の下で副官を務めたジュロブスキー氏だからといって、とても明るい未来が開けているとは言えない。そして、このままJ2に降格するようなことになれば、経験の浅い小倉氏にチームの命運を委ねてしまったフロントの引責も避けられないだろう*5

“監督交代”の直後に発表された「田中マルクス闘莉王選手復帰」のニュースがグランパスサポーターにとっての唯一の光明だろうが*6、かつて愛するチームの“J2落ち”を味わった身として言わせてもらえば、窮地に立たされた時のこの手の“補強”がうまく行くケース、というのは実はほとんどないわけで、加えて闘莉王選手がその名の通り闘志を前面に出す選手だけにこういう場面では空回りしてしまう姿の方が目に浮かんでしまう。

J1の結果よりもJ2の結果の方が気になる生活に突入してはや何年・・・という自分にしてみれば、“ようこそ!”と両手を挙げて歓迎したい気満々なのだが、J草創期にアーセン・ベンゲルが率いて躍進し、その後も、メチャクチャ強いわけではないが降格のリスクも感じない“超安定”チーム*7として長くJ1の歴史に名を刻んできたチームが、むざむざと降格するのを見るのはやはり忍びないので、叶いそうもない奇跡を半分くらい期待しつつ、高みの見物を決め込むことにしたい。

*1:日本経済新聞2016年8月23日付朝刊・第12面。2016年8月24日付朝刊・第12面。

*2:したがって、取締役同様、就任時に会社を退職して使用人としての地位を返上した上で委任契約を締結している、というパターンはかなり多いのではないかと思う(日経紙のコラムでは、一部の企業しか「委任型」を採用していないような書かれ方になっているが・・・)。

*3:この点については、「相談役」等の話と同じなのだが、「執行役員」の場合、まさに現役バリバリの世代の方が多いだけに、より“箔”がないと気の毒、という面はあるように思う。

*4:http://www.soccerdigestweb.com/news/detail/id=17665参照。

*5:経験豊富な西野朗監督の後任に“新人”を据えて一気に転落した2012年シーズンのガンバ大阪、という分かりやすい前例があったはずなのに、同じ落とし穴に嵌ってしまうのだから、まぁ何と言うか・・・。“レフティモンスター”として鳴らした全盛期から五輪予選直前の悲劇を経て甲府の星になるまで、自分は同世代のスターとして小倉選手に声援を送ってきたし、特に2000年シーズンはどん底だった我が贔屓チームの残留に貢献してくれた功労者の一人でもあったので、個人的には全く悪印象を持っていないのだが、「指揮官になるためのステップを踏まずに監督」というのはやはりサッカーの世界では厳しい。

*6:リオ五輪の際に、現地でのゲストコメンテーターか何かで出ているのを見て全然普通にプレーに復帰できそうな雰囲気だな、と感じたのだが、おそらくその頃にはすでに復帰に向けた準備を始めていたのだろう。そして、GM兼監督の就任直後に電撃退団した選手が、その“解任”と共に復帰してくる、というところが、様々な憶測を呼ぶところである。

*7:とはいえ、改めて過去のチーム成績を見ると、何度か降格の危機に直面したこともあったようだが、親会社の強さゆえか、あまりそういうイメージを抱かせるチームではなかったように思う。