新しい年になってもJRAの勢いは止まらない、というか、CMのノリだけ見ればますます絶好調な感じだし、先週の3日連続の中山・京都での開催に続き、今週からは3場開催、ということでレースの数もやたら多い*1。
残念なのは、秋競馬で連戦していた馬たちがつかの間の休養に入っているこの時期に、中山で京都で小倉で、と、これだけ多くのレースを組むと、どうしても出走馬の層が薄くなってしまう、ということ。
特に京都、小倉の3歳1勝クラスの特別戦などは、こぞって少頭数になってしまっていたし、他の条件でも大負けでの連敗中の馬とか、夏以来の復帰戦となる馬くらいしか見当たらない、というレースは結構多かった。
おかげで、そうでなくても当たらない馬券がなおさら当たらない。
久々の出走でも、過去の戦績を見れば連には十分絡めるだろう、と思われた馬が人気をかぶって着外に飛ぶ。その裏で秋から年末にかけて大敗を繰り返していた馬が唐突に勝つ*2。
そんなこんなで、打つ手打つ手が全て裏目に出て、個人的にはまぁまぁひどい感じ。
土曜日などは天候も荒れる中(小雪)、中山の障害未勝利戦で先頭を走っていた馬が故障馬の手当て中の係員に激突する、という大事故もあったりして、この「過密」スケジュールに対していろいろと考えさせられるところは多かった。
だが、それでも、明るい話はある。
まずは京都で騎乗していた武豊騎手。
51歳を迎える年になっても、年初からスタートダッシュに見事に成功して、今週も土日で4勝、12勝で全国リーディング3位に付けている、というのは、さすが名人!の一言に尽きるのだが、そんな中、日曜日の京都6レース、芝1800mのメイクデビューで市場取引価格6億2640万円のディープインパクト産駒、アドマイヤビルゴに騎乗して勝利を飾った、というのがまさに今週のハイライトだった。
馬名を見れば一目瞭然の故・近藤利一氏が所有していた馬(今のオーナーは近藤旬子氏)なのだが、前オーナーの逝去からわずか2か月で、因縁を超えて武豊騎手が”アドマイヤ”に再び騎乗する日が巡ってくるとは、当時それを期待するエントリーを書いた*3自分でも、さすがに想像はできなかった。
2着に入ったフラルのオーナーが近藤英子氏、と見る人が見たらドキドキするような展開ながら、久々の「復帰戦」できっちり結果を出すあたりが武豊の武豊たるゆえんで、これが通算4140勝目。これからもまだまだやってくれそうだな、と思わせてくれるのは嬉しい限りである。
そして、関東に目を移せば、かつて「東のユタカ」と称されたこともある吉田豊騎手が、これまた日曜メインの京成杯で実に3年ぶりの重賞勝利。
吉田豊騎手は自分と全く同世代だから、”高齢化”が進む騎手の世界でも、数年前からは完全にベテランの域に入っているし、それだけに、2017年の年末に落馬事故で長期離脱を余儀なくされた時には、もう無理かな・・・と率直に思った。
だからこそ、かつて主役を張っていた中山の芝コースで、良血スカイグルーヴを出し抜く一気の差しを決め、新冠町の決して大きくない牧場出身のキズナ産駒で重賞タイトルを奪うとは何とも嬉しい話だったわけで。
戸崎騎手が離脱を余儀なくされ、栗東から移ってきたM・デムーロ騎手もさえない状況が続いていて、藤田菜七子騎手の見習騎手卒業くらいしか明るい話題がなかったのが関東勢の状況だっただけに、これが一つの起爆剤となることを願ってやまない*4。