今年も年に一度のお約束でめぐってきた「ブログ開設記念日」。
早いもので2005年8月4日から、これで17年が経過した。
「17」と聞くとずいぶん年数が経ったような気がするし、実際、それなりの歳月は流れている。
「戦争」といえば遠い砂漠の地か、「テロとの戦い」くらいしかイメージできなかったあの頃とは異なり、今、日本は、軍事力の行使も辞さぬ勢いの（というか片方は既に西方戦線で行使してしまった）2つの大国に隣接する国として、いつ一触即発の事態が生じても不思議ではない緊張の中にいる*1。
気候も変わった。
ここのところ夏になると毎年のように起きる豪雨災害。首都圏でも連日異常なまでの高温多湿と南国の気候を思わせるスコールに日々翻弄されている。
17年前の夏の雨の降り方がどんなだったか、今やもう思い出すことはできないが、自分が、十数年前、初めて降り立ったホーチミンでスコールに遭遇して感じたのと同じ”異国感”を、これからかの地に降り立つ日本人が感じることはもうないような気がする。
ただ、それ以外にドラスティックに変わったものがあるかと言われれば、そんなに思い当たる節はない、というのがこの成熟した国家なわけで、政権を担うのは自民党の二世、三世の政治家たち、株価・為替は変動すれど世の中には何となく不景気感が漂い、プロ野球の世界では相も変わらず12の球団が星を回し合って、そうこうしているうちに炎天下の甲子園が開幕する。
いやいや、ガラケーはスマホに変わり、電子マネーやらQR決済やらが普及して、Google Chromeに置き換えられたブラウザで開くページは「はてなダイアリー」から「はてなブログ」になったではないか、というツッコミもあるかもしれないが、駅で手持ちのデバイスに目を落とす人々の仕草は昔のまま、コンビニのレジで現金を出してつり銭でもたつく光景も未だ消えず、そして、エントリーを書き残すためにPCを開いてする作業に至っては、何一つ変わるところはない。
結局、どれだけ月日が流れても、連続している時空の中では、変わらないもの、ちょっとやそっとでは変わったことに気づかないもの、変えたくても変えられないものが必ず残る。
そして、自ら何かを変えようとしない限り、何かが変わったような気分には永遠にならない。
最近特に良く聞くYOASOBIの『群青』。その二番の世界観が見事にしっくりはまるような世界で、まさにもがいていたのが17年前だった。
選んだ道を感じたままに進み、真夜中に重い瞼を擦りながらブログのエントリーを綴り、青い誓いにしがみついて、好きなことを続けたいと願っていた自分が、そこから積み上げてきたものが武器になっている自信は全くなかったが、それでも自分にしかできないことを探しながらやってきた。
あれから10年以上もがいて、ようやく次の一歩に踏み出せたのは、つい数年前のこと。
幸いなことに、その一歩が様々な偶然にピタリとはまり、さしたる痛みも感じることなく多くの果実を得ることができているのは、青い光を探して朝も夜も走り続けていた日々が長かったゆえのご褒美か。
もちろん、好きなものと向き合うことは今だって怖い。そして、一歩踏み出して新しい世界が開けると、さらにその先に行きたくなるのがわがままな人間の心理だから結局今だって、もがいていることに変わりはない。
ただ、そうでなくても停滞感を抱きがちなこの世の中、そのど真ん中の世代の人間が、無理しなくてもナチュラルに日々新鮮な気持ちで生きていけることを感謝しなければ罰が当たる。
ここから次の節目、「18年」に達するまでの間に何が起きるのかさえ、予測することなど到底不可能なのだけど、今の心境は
Even if I've got no true confidence, I'm moving on.
All I can do now is to have the fun !
ということで、長年の読者の皆様への感謝の意を改めて込めつつ、ここから再び、このブログにも新しい歴史を刻んでいくこととしたい。
*1:その割に、世の中の雰囲気がまるで”他人事”に見えてしまうのが気になっていたりもするが・・・。
