良くやった!我らがサムライブルー!

クロアチア戦を見終えた今、
試合直後に“気さくに”テレビ局のインタビューに応じた
中田英寿選手と同じくらい気分が良いので*1
今夜は我らが日本代表を称えることにしよう。



まず、我らが柳沢敦選手。


ゴール前、キーパーと1対1になって、
見事に枠の外にシュートを放つこのボールコントロールやいかに。
シュートを打たない打たない、と酷評されたが、
やればできるではないか!
テレビの前の意地悪な視聴者が期待していたとおりのことを
大舞台でも欠かさずやってしまうあたり、
最高のエンターテイナーというべきだろう。
本日のMVPと呼ぶにふさわしい。


途中出場で見せ場こそ少なかったが、大黒選手も、
中澤が必死のヘッドで落としたボールを見事に枠の外にコントロールしており、
技能の高さをしっかりアピールしている*2
それ以上に、残り時間わずかなところで、中盤から供給されたパスを
“脱力系”トラップで、相手ボールにしてしまうあたり、
大舞台にふさわしい活躍を見せていたといえるだろう。


小笠原。
彼は自分をずっとベンチに置き続けてくれた
ジーコ監督の恩義を忘れていなかったようだ。


ボールを持った相手選手を背後から追いかけながら、
届かない距離でスライディングを仕掛けて大ピンチを演出する頭脳やいかに。
もちろん、届いていたら一発レッドになってもおかしくないプレーだ。
ファウルにならないように距離を測って飛び込むあたり、
何とも奥ゆかしい。


後半の数少ないゴール前のFKでも、
相手GKが取りやすいところに、取りやすいボールをしっかりと供給している。
あんなに美しいフリーキックを見たのは久しぶりだ。
きっと、暑さで疲れているボールボーイへの思いやりも込もっていたのだろう。


三都主
スピードあるドリブルで相手DFを苦しめたのは
クロアチア国民に少々失礼だったが、
自陣での守備はさすがだった。


富士急ハイランドのコースターでも味わえないようなスリル。
視聴率の引き上げに大いに貢献したことだろう*3


そして、今日も最大の功労者は我らが神様である。


交代カードを早めに切ったところは神様らしからぬ拙速さだった。
だが、切り方には神様のスパイスがしっかり散りばめられている。


1枚目、福西選手に代えて稲本選手。
おそらくこれは前半早々の負傷が響いての交代で、さほどの面白みはない。


だが、その後の交代に彼の思想がこめられている。
2枚目、柳沢選手に代えて玉田選手。
3枚目、高原選手に代えて大黒選手。


“美しいスタイルは絶対に崩さない”という見事な信念に貫かれている。


テレビの前の視聴者が思いつくような、
小笠原か俊輔下げてFW一枚増やせ!といった素人考えには組しない、
見事な指揮である。


おまけに、試合後のテレビ局のインタビューで、

「テレビの放映時間に合わせたせいで、猛暑の中で戦うはめになり、このチームの良さが生かせなかった」

と、サッカーとメディアの関係に潜む問題点を
見事なまでに指摘してくれた。
今頃顔が青ざめている人も少なからずいることだろう。


中田英寿選手は、「勝てた試合だった」と断言していた*4


だが、自分の記憶の中に残っている“惜しい”枠内シュートは
彼の打った2本だけだし、
何よりも守護神川口能活選手が、
絶体絶命のPKを止めてのドローである。


この結果を喜ばずして何を喜ぶというのか。
そう思わなければ、月曜から憂鬱な気分で会社に向かわねばならなくなる・・・。

*1:明らかに顔は引きつっていたように見えたが・・・orz。

*2:大黒選手の場合、相手DFもしっかり付いていて、体勢を崩されていたようにも見えたから同情の余地はあるのだが・・・。

*3:ペナルティエリアで相手の正面にパスを出すテクニックを敵陣で発揮してくれれば・・・。ただ攻め上がりは悪くなかったし、最後までよく走っていたのは確か。これは三都主選手の問題ではなく、あのポジションで彼を使い続けた指揮官の問題であるのは言うまでもなかろう・・・。

*4:今日の中田選手は立ち上がりこそあれれ・・・?だったが、前半の半ばを過ぎたあたりからのプレーは、非常に冴えていたように思われる。ただ、終盤になるとさすがに疲労が出たのか、パスの質が荒くなってしまっていたのは残念だった。35度の猛暑の中戦っていた彼らと同じことをやれ、と言われてできる一般市民はどこにもいない。その意味で、ただ勝てなかったことをもって彼らを責めるのは酷だろうが、それでも、見ていて何か物足りない気分になったのは確か。2試合通じて、川口選手と中澤選手の良さは目立つ。だが、コンスタントに輝いていたのがこの二人だけ、というところに、どこか空しさを感じる。

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