自由競争の果て・・・

「18日午前5時25分ごろ、大阪府吹田市津雲台7の大阪中央環状線で、スキー客25人を乗せた大型観光バスが、道路左側の側道にあった分離帯に接触、はずみで斜め右側のモノレールの橋脚に衝突した。アルバイト添乗員の小池唯史さん(16)=長野県大町市=が全身を強く打って死亡。兄の勇輝運転手(21)=同県安曇村=と乗客2人が重傷。残る乗客23人も軽傷を負った。」

このスキーバスを走らせていたのは、「あずみの観光バス」という、かつて白馬・安曇のバス業界に“価格破壊”を引き起こすきっかけをもたらした会社。


料金自由化に伴って、大手バス会社のシェアを一挙に奪い、当時は大いに注目を集めたものであった。


それが数年後に「12時間同じ運転手が深夜の長距離乗務をしていた」とか、「16歳の添乗員を乗車させていた」とかいうニュースで注目されているのだから、何と言うか・・・・。


このような事故を会社側の法令順守意識の欠如に起因するもの、と断罪するのはたやすいのであるが、それだけで片付けてしまってよいものなのかどうか。


自由競争に伴うコスト下げ圧力が、どれほど苛烈なものであったかは、容易に想像が付く。かといって、ひとたび競争に参入した以上、会社をたたんで撤退するという選択は、学者の先生方が思っているほど簡単にできるものではない・・・。


貸切バス業界といえば、運賃カルテルやその他の参入規制などで、公取委絡みの係争案件を引き起こすことも多い業界であるが、今回の事故などを見ると、“悪しき行為”として非難される行為にも一分の理はあるのではないか、と思えてならない。

google-site-verification: google1520a0cd8d7ac6e8.html