海の向こうの大統領選で共和・民主両党の正副候補者が出揃い、いよいよ・・・といったところである。
民主党の党大会がフィナーレを迎えるタイミングで飛び出してきたのは、共和党の副大統領候補者にアラスカ州のサラ・ペイリン知事(44)が起用されたというニュースで、現地でも相当の驚きを持って受け止められているようだ。
アメリカの女性政治家=“ヒラリー”のような固定観念に囚われていると一見“リベラル”な候補であるかのようなイメージを抱いてしまうが、実際のところは、「財政規律を重んじ」「妊娠中絶に反対の立場をとる」バリバリの保守派政治家のようで・・・。
「変革」の看板をついこの前まで掲げていたオバマ陣営が選んだのがベテラン上院議員、どちらかといえば共和党の中でもリベラル寄りと見られていたマケイン陣営が選んだのが保守派の論客・・・、とこの辺りの取り合わせが、いかにもアメリカらしくて面白い。
本来依るべき立場が違うもの同士が組んでお互いにないものを補い、そして、相手方のアピールポイントを消す、という戦術は、まさに政治を壮大な“ゲーム”として割り切っているように見えるこの国ならではのもの、というべきではなかろうか。
翻って日本を見ると、そこまで割り切れていない、というか何というか。
ドロドロした感情のもつれをテレビ桟敷から眺めて楽しむのも政治の醍醐味の一つであることは否定しないが、もう少しライトな感覚で“権力争い”を楽しませてくれてもいいんじゃないのかなぁ、と思ったりもするのであるが・・・。