理解不能な不同意

最近になっていろんなところでボロが出てきた野党第一党


思えば春先の日銀総裁人事をめぐるゴタゴタの時点で、この政党の現執行部体制下での政権担当能力の欠如ぶりが白日の下に晒されていたわけだが、ここに来てさらに理解不能な“不同意”をしかけてきた。

民主党は16日、政府が15日に国会に提示した27人の同意人事案のうち、中央労働委員会公益委員の広見和夫、藤村誠両氏の再任に同意しない方針を固めた。いずれも旧労働省出身で、同党は退職後に天下りを繰り返す「わたり」にあたるとみている。」(日本経済新聞2008年10月17日付朝刊・第2面)


味噌もクソも一緒にしてはいけない。


確かに、現在公表されている中労委の委員名簿*1を見ると、2氏には厚生労働省の外郭団体らしい団体の「理事長」の肩書がついているし、それ自体は褒められたことではないのかもしれないが、だからといって中労委の公益委員に彼らが就任できない理由は何一つないはずだ。


労使それぞれの代表者の間に入る「公益委員」の役割を考えた時の「官」出身者の意義や、労働委員会自体が「独立行政委員会」として司法的権能と行政的権能を兼ね備えた機関であること等を考えると、公益委員の中に旧労働省の出身者がいても何ら不思議ではないし、むしろいないと困る、というべきだろう*2



この方針を決定した民主党の執行部は、「労働委員会」の役割や地位を本当に理解しているのだろうか?


制度に対する無知・無理解からは何も生まれない。


本気で政権を取ろうとしている政党なのであれば、「天下りかどうか」という点でねちねちとやるより以前に、やるべきことがあるように思うのであるが・・・。

*1:http://www.mhlw.go.jp/churoi/soshiki/meibo.html

*2:もちろん、事務局には現役の労働官僚が就いているのだが、それだけで十分だとはとても言えないはずである。

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