これではあまりに・・・

ついにラストを迎えている現行司法試験だが、とうとう短答試験の合格者が1000人を切り(742人)、受験者比での合格率も5%台、という恐ろしい状況になってしまった。
http://www.moj.go.jp/content/000048285.pdf


従来の受験者層の多くが法科大学院に流れている可能性はあるとしても、合格率がこのレベルになってくると、突破するにはそれなりの実力と相当の運が必要になってくるわけで、ここからさらに10分の1以下にまで絞り込まれる次の段階まで突破しようとするとなると、なおさらだ、といえるだろう。


ここで夏に向けての切符をつかんだ方々には、誇りを持って大舞台に臨んでいただけるよう願うのみなのだが、それにしても・・・



合格者の数は減っても、受験者の数が想像以上に減らなかったことがこのような事態を招いているのは間違いない*1


最後の最後まで、現行試験の短答試験受験者数が新司法試験の受験者数を下回ることはなかったし、その前段の適性試験の志願者数*2と比べても、現行試験受験者数の方が遥かに多いのだ。


このような状況を見て、制度設計者がなおも今のスタイルの(新)試験システムに固執するのだとしたら、それは、やっぱり、どこか歪んでいると言わざるを得ないだろう。


今からでもやり直すのに遅すぎる、ということはない。


予備試験のような迂遠で無駄の多いパイパス作りに精を出す前に、考えるべきことがあるはずだ、と個人的には思うところである。

*1:今年の短答合格者数がH17の10分の1以下であるのに対し、受験者数は同年の3分の1くらいのレベルにとどまっている。

*2:DNCでなんと前年比1632人減、日弁連も700人以上減で、7000〜8000人台にとどまっている。http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20100528/1275787272参照。

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