“震災後”に向けた様々な動きが出始めている中で、自分が最近最も感銘を受けたのが、土木学会、地盤工学会、日本都市計画学会の3学会会長名で出された「緊急声明」である。
http://committees.jsce.or.jp/2011quake/node/29
特にこのくだり。
「今回の震災は、古今未曾有であり、想定外であると言われる。われわれが想定外という言葉を使うとき、専門家としての言い訳や弁解であってはならない。このような巨大地震に対しては、先人がなされたように、自然の脅威に畏れの念を持ち、ハード(防災施設)のみならずソフトも組み合せた対応という視点が重要であることを、あらためて確認すべきである。」(強調筆者)
地震の性質や地盤の堅固さが異なるとはいえ、「耐震」という点に限って言えば、阪神大震災、中越地震以降の土木技術者たちの努力の成果が、今回の大震災では概ね証明された、といっても過言ではないはずだ*1。
もちろん、津波と原発クラッシュ、という、一般人から見れば、「想定外」の事態ゆえに、被災レベルがこれまでにない状態に陥ってしまったのは事実なのだが、そこで「想定外」という言葉を軽々しく用いることを許さない・・・というところに、彼らの意地とプライドを感じるわけで。
「震災後10日が過ぎ、被災地にも、徐々にではあるが、復旧、復興への兆しが見え始めたが、途は遠い。しかし、乗り越えられない困難はない。被災者の皆様の悲しみに寄り添い、手を携えて難局に立ち向かいたい。そして、われわれ技術者・計画者集団、関連する学協会も、その英知と経験を結集し、難局に立ち向かいたい。それらの営為が、やがて希望につながると信じる。」
この志こそ、今、「再建は絶望的」などという無責任な報道がなされがちな、太平洋岸の都市、地域を復興に導く灯になるものと自分は信じている。
後は、原発を乗り越えさえすれば・・・この国の未来は拓けるはずだ。