既にかなりの回数を重ねているにもかかわらず*1、同一の馬が2度勝ったことがない、というジンクスに縛られていた今年最初のG1・フェブラリーS。
今年に関して言えば、スタートの直前までは、「ドバイ遠征も含めて、ここのところ、1着と2着しか記録していないトランセンド」のV2を皆信じて疑わなかったし、万が一波乱があったとしても、虎視眈々と巻き返しを図る古豪・エスポワールシチー*2あたりが、ジンクスを壊してくれるのではないか、と期待していたのだが・・・。
残念なことに、乱ペースの中、得意の形に持ちこめなかったトランセンドが、最後の直線、藤田騎手の必死のムチも空しく大失速7着惨敗。エスポワールシチーも掲示板に乗るのが精いっぱいの5着。
終わって見れば、地味なマル外のテスタマッタが優勝し、2着にはシルクフォーチュン、と、怒涛の追い込みで根岸Sの上位を占めた2頭が、このレースでもワン・ツーを成し遂げる、という大波乱の結果に終わった*3。
個人的には大レースで2着続きだったワンダーアキュートの複勝で勝負していたおかげで、美味しい思いをすることができたのだが*4、トランセンドがもう一度ドバイで見せ場を作ることを期待していた身としては、何ともやりきれない思いを抱いてしまう。
大レースが続く年末からさほど間を空けずに迎える、という、このレースの時期的な要因ゆえか、それとも、2月の東京競馬場に得体のしれない魔物が棲んでいるのかは分からないけれど、比較的波乱が少なかったこのレースに、こんなタイミングで波乱が訪れる・・・それも競馬の面白さなのだろうなぁ、と思った次第。
国内での大一番でこけていたとしても、昨年2着の実績で2年連続のドバイ出走が叶う可能性は高いし、そうなればそうなったでまた応援することになるのだろうが、今回の負けを受けて陣営が弱気になったりしていないか、それだけが心配である*5。
*1:G1に移行した最初のレースが行われたのは、自分がまだ学生の時だったから、かれこれもう10年以上は優に歳月を重ねていることになる。
*2:とはいえ、前走・平安Sの負け方はこの馬自身が下降曲線に入っていることを感じさせるものだったし、今回は“ミスターシチー”こと佐藤哲三騎手が騎乗できず、7歳にして初めての武豊騎手(全盛期のころからダートは決して上手ではない)への乗り変わりとなってしまったことから、勝てば出来すぎ・・・という感はあった。
*3:後付けで考えれば、予想できない展開ではなかったのかもしれないが、この2頭の馬券を戦前には買え、というのは、なかなかハードルの高いミッションだったことと思う。結果、ステップレースの上位馬同士の組み合わせなのに、馬連からもう万馬券・・・。
*4:2番人気で複勝が3倍以上も付くなんて、何とエキサイティングなレースだろう、と思う。
*5:逃げて自分でペースを作れる馬だけに、マークが弱くなればあわや、のところまではいける可能性もあるし、日本勢にとってもいい“ペースメーカー”として機能してくれるはずだった。