これぞ「世界基準」。

ここのところ2週続けて、「勝ってほしい馬があと一歩のところで取りこぼす」もどかしさを味わってきた身としては、実に痛快なレースとなった第64回安田記念

週の後半から降り続いた雨のせいで、テレビで見ても分かるほど重く湿った芝。
ゴール前、どのジョッキーも必死に追っているのに、いつもならスパッと切れる脚を持っている馬たちが、ズブズブと馬群から抜け出せずにもがいている・・・

そんな力勝負の展開の中、叩き合いを最後に僅かの差で制したのが、ジャスタウェイだった。

秋の天皇賞からG1で3連勝。しかも前走ですでにドバイの大舞台を制している馬だけに、国際G1とはいえ、実質的には国内組の争いに過ぎないこのレースを勝つのは、当然に予想されたことではある。

だが、同馬が叩き出した最速の上がりタイムが、ダート戦と見まがうような「37秒1」という数字となったことが象徴するような超不良馬場で、しかも、もっとも馬場が荒れていた内側のコースを通らされながらも、単勝大穴を開ける寸前(16番人気)だったグランプリボスを最後の最後に意地で差しきったところに、この馬の「世界基準」の底力を見た気がする。

走ったコースのひどさは、「伸びない大外」を回らされたハープスターの比ではないし、展開でいえば、イスラボニータ以上にきついマークを受けて走らされたレース。
でも、その一切を言い訳にすることなく、「結果」をきちんと示す・・・。これを一流の証と言わずして何と言おう。

この後、再び海外を目指す、というこの馬にとって、今回のレースは、日本のファンに向けた最高のデモンストレーションだった。

そして、現役時代、そうそうたる成績を残しながら、常にディープインパクトの陰に隠れることが多かった、父・ハーツクライにとっても、オークス、ダービーに続いて、このレースをも制したことで、血統の確かさと大舞台で発揮される底知れぬ力が産駒に遺伝している、という事実を存分にアピールできたのではないか、と自分は思っている。

この血の勢いが、今回のレースをもって止まってしまうのか、それとも秋以降、さらに旋風を巻き起こすことになるのか。
わくわくしながら、今後の展開を楽しみに待つことにしたい。

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